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2023年8月 1日 (火)

最適温度と微分音

 冷房をつけて眠ると体調を崩しやすいのですが,最近の「超」熱帯夜では冷房なしでは眠れません。ただ最適温度の設定が難しいです。27度だと暑いのですが,26度だと寒いので,寝ている途中に,暑くなると26度にし,寒いと27度に戻すというリモコン操作しているので,よく眠れません。26.3度のような,2627の間に最適温度がありそうなのですが,そういう温度は設定できません。つまみで調整するようなアナログ的な温度設定はできないでしょうかね。
 話は変わりますが,ピアノの鍵盤でたたける音は連続的ではありません。Cの次はC#で,その次はDですが,ほんとうはCC#の間にも音(微分音)があるはずで,その音は特別に調律をしないかぎり,ピアノには出せないものです。私のように専門的に音楽を学ばず,たんにピアノを勉強しただけだと,暗黙のうちに,1オクターブの間を12に分ける「十二平均律」が正しいと思いがちですが,実際の音階はこれだけではありません。たとえば琉球音階のようにレとラがない音階もあれば,日本古来のファとシがない五音音階などもあります。もっとも,これらは特別な調律をしなくても,普通のピアノで弾けます。しかし,これが微分音を使うアラビア音階となると,そうはいきません。微分音は,西洋音楽に慣れてしまっている人には,強い違和感をおぼえることがあるようです。尺八なども微分音を出せますが,たしかに音がずれているように聞こえます。普通のピアノで音を再現できないことに,いらだちを感じる人もいるでしょう。でも,YouTubeで微分音を出しているエキゾチックな楽器の演奏を聞いてみると,どこか懐かしいものが感じられます。微分音があるのは,音が連続的なものであるからであり,それはまさにアナログの世界の話ですよね(もちろん音は周波数として数値化できるので,デジタル化しやすいものです)。
 西洋音階の十二平均律では,微分音は存在していないかのようであるのと同様,人為的に温度が区切られている我が家のエアコンでは,私にとっての最適温度は存在していないのと同じなのでしょう。でも,これは区切り方の問題であり,連続的なものをどう区切るのがよいのか(音律を細かく設定する,温度設定を0.1度単位とするなど),あるいは,そもそも区切らないほうがよいのか(演奏は尺八などを用いる,アナログ的な「つまみ」による温度調整をするなど),という話だと考えると,いろんなところで応用できる問題のようにも思えてきました。

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