『実務詳解 職業安定法』(弘文堂)
倉重公太朗・白石紘一編『実務詳解 職業安定法』(弘文堂)を,共著者の一人でいらっしゃる板倉陽一郎弁護士からいただきました。どうもありがとうございました。板倉さんとは,もう何年も前に,総務省の「AIネットワーク」関係の仕事でご一緒したことがあったかと思います(あの会議では,ほかにも前の日銀副総裁の若田部昌澄さんと一緒になるなど貴重な出会いがありました)。本書では板倉さんが個人情報保護の部分を担当されていたので,しっかり読んで勉強しました。ちょうど次の授業で個人情報保護をテーマに話す予定だったので,職安法の部分についての情報をアップデートして整理できて,たいへん助かりました。松尾剛行さんの『AI・HRテック対応 人事労務情報管理の法律実務』(弘文堂)もそうですが,個人情報の分野は,弁護士の方の業績が参考になりますね。
ところで,職安法は,私がビジネスガイドで連載中の「キーワードからみた労働法」でも,今年の1月号で「募集情報等提供事業」というキーワードで採り上げており,その論考のなかで改正職安法により同法は「新ステージに入った」という評価をしていました。本書でも,改正法を「シン・職安法」と呼んで同様の認識がされており,この新たな職安法の全体像を知るうえで,本書は役立つ文献といえるでしょう。
ちょっと驚いたのは本の表紙です。著者の名前がずらっと並んでいて,板倉さん以外にも,安西愈さん,今野浩一郎さん,濱口桂一郎さんなどのビッグネームが含まれていました。その上に編者二人の名前が大きく書かれていて,これだけの執筆者を動員する人脈があり,それを編者としてまとめ上げるとは,どれくらいすごい人なのだろうと思ってしまいました。
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