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2023年6月27日 (火)

タイパ

 タイパ(time performance)を重視するZ世代ということがよく言われます。今朝のNHKの「おはよう日本」では,社会人野球にMLBと同様のピッチク・ロック(pitch clock)が導入されたことが紹介されていました。以前のブログで,WBCを観戦していて,あまりにも試合時間が長いので,「ショート・ベースボール」の提案をしてみたのですが,ピッチ・クロックも,試合時間の短縮ができるので,望ましいと思います。投手と打者の駆け引きが面白いので,時間制限をすると味気なくなるという意見もあり,それも理解できるのですが,駆け引きをほんとうに楽しめるような対戦はわずかであり,やはり高校野球のようにテンポよくやってくれたほうが,Z世代の人だけでなくても,観戦しやすいと思う人が多いのではないでしょうか。
 Z世代のタイパ志向は,時間は効率的に活用して,限られた時間のなかで,できるだけ多くのことを楽しみたいということなのでしょうが,仕事との関係でも,仕事はできるだけ効率的にやって,浮いた時間で他のことをして楽しむという発想につながるので,こうなるとタイパは私の感覚とよくマッチしています。昭和世代は,タイパ感覚がないのが問題なのです。たとえば,たんに挨拶をするというためだけに,わざわざ職場にやってきて,私の時間を奪っていく時間ドロボーがかつてはたくさんいたのですが,徐々にそういうのを断るようになった私は変人というか,イヤな奴と思われていたことでしょう。それで仕事を失ったこともあるかもしれませんが,やっぱりイヤなものはイヤなのです。ただ,ようやくこうした私の感覚と時代の感覚がマッチしてきたような感じもします。
 ただ,私があらゆることに時間効率を意識しているかというと,そういうことではなく,仕事以外のところでは,ダラダラしていることのほうが多いです。また,広い意味では仕事の一つかもしれませんが,神戸労働法研究会での1回あたりの時間は長いです。出席者が減っているのは,そのためかもしれませんが,これは仕方ないと思っています。研究会では,徹底的に議論したいと思っていて,納得しない限り,なかなか終わらないところがあります(もちろん,ある程度の限度は設けていますが)。研究それ自体は効率的にやったほうがよいのですが,人が集まる研究会では,何かの結果を出すことが目的ではなく,ブレインストーミングが目的なので,時間効率を考えすぎると意味がないのです。でも,これもひょっとすると若者のタイパ志向には合わないかもしれず,それで去っていくのは仕方がないと思っています。ここは若者に迎合するつもりはありません。私のスタイルでよいという人が1人でもいれば十分というように割り切っています。
 とはいえ,私が他の研究会に参加するときは,どうかというと,これは時間制限があるところのほうがよいこともあるし,そうでないこともあります。終わりがはっきりしている研究会のほうが参加しやすいのは確かですが,時間制限が強すぎて,自分の意見が十分に言えないとわかっているような場合には,参加しにくいこともあるのです。
 いずれにせよ,どこに効率性を求めるかというところの判断を的確にやることこそ重要で,Z世代も,そこのところは十分にわかっているのだと思います。

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