副業が増加
今朝のNHKの朝のニュースで,「広がる“副業容認”企業のねらいは?注意点は?」という特集がありました。副業容認は,もうずいぶん古いテーマで,私が中小企業庁のこのテーマでの研究会に参加(オンライン出席)したのが2016年なので,もう7年くらい前のことですね。この間に政策的にも,副業促進は優先的な事項に据えられて,私にも講演依頼がかなりありました。そのころ,よく言っていたのは「パラレルキャリア」で,拙著『勤勉は美徳か―幸福に働き,生きるヒント』(2016年3月,光文社新書)でも,94頁以下で「キャリアの複線化」という小見出しで,今日のNHKのニュースの内容に関係する部分について書いています。ただコロナがあったとはいえ,7年前の話題が,まだNHKのニュースでとりあげられているので,日本の雇用システムの変化は遅いなと思うのと,でも同時に,いよいよ変わりつつあるかも,という気もしています。最近そういう流れを感じていたので,ビジネスガイド(日本法令)に連載中の「キーワードからみた労働法」の先月号(191号)では,副業・兼業をテーマに採り上げました。
ところで,今朝のニュースのなかで面白かったのが,フクスケという会社が提供している,副業リスクの診断アプリです。リスクの可視化をするものであり,行為規範を重視する私の立場からは,非常に興味深いものです。私は法的紛争の回避のためにはAIを活用し,当事者が望ましい行動をとるよう誘導すべきであると考えており,これがデジタル労働法において重要な意味をもつ規制手法であると考えていますが,このアプリもひょっとするとそういう手法の一つに位置づけることができるのではないかという印象を受けました。労働法の規制手法も,最終的には,適切なアプリの開発というところに収斂していくかもしれないですね。
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