« デジタル・デバイド解消と銀行への期待 | トップページ | 漢字の読み方 »

2023年5月 3日 (水)

マイホーム(続編)

 少し前にも書いたマイホームの話題です。
 日銀総裁が替わり,ゼロ金利政策が変更されるかを,多くの人が心配しているでしょうが,当分は継続されそうな感じですね。ゼロ金利政策が終わると,住宅ローンにはねかえるでしょう。低金利のなか変動金利で借りている人がほとんどなので,突然金利が上がると影響は大きいでしょう。住宅ローンは,きわめて大きな借金ですが,税金の優遇もあるし,担保がしっかりしているので銀行も比較的簡単に貸してくれます。そこにマイホームの取得は夢というのがあって,住宅ローンで家を買う人は多かったと思います。いまから50年前にヒットした小坂明子の「あなた」(1973年12月)は,「もしも私が家を建てたなら~」という歌詞で始まり,当時はほぼ毎日のようにテレビで流れていましたし,加藤和彦の「家をつくるなら」(1973年3月)は,このタイトルどおりの「家をつくるなら~」という歌詞で始まり, 住宅メーカーのCMでもよく流れていたので,いまでも耳に残っています。
 それから23年後の1996年。宮部みゆきの代表作『理由』は,東京荒川の豪華な高層マンションの一室で起きた一家殺人事件を扱ったものです。バブル崩壊後,住宅ローンが返せないファミリーが手放した競売物件を,ある実直な苦労人の会社員が,マイフォームの夢を実現するために購入したのですが,そこにいたのは占有屋だったということから起きたものでした。マイホームへのこだわりの悲劇を描いたこの作品は,家族にとってほんとうに大切なものは何かを問いかけるものであったと思います。
 住宅の取得は,老後の安定した住宅の確保という意味があったのですが,多くの人が老人施設で晩年を過ごすようになりつつあるなか,高額の借金をして家をもつことのリスクはいっそう高まりつつあるように思います。
 神戸大学の最寄りの阪急六甲駅の北に,いま巨大な高層マンションが2つ建設中ですが,聞くところによると上層階は億ションだそうです。誰が住むのでしょうかね。広大な屋敷がおそらく相続で手放され,そこにマンションが建てられているのでしょう。そういえば,5月1日の日本経済新聞の朝刊の1面は,「マンションの修繕決議,出席者過半数で可能に」というものでした。老朽マンションの改修を容易にするもので,なかなか出席者が集まらないことへの対策のようです。現在でもそうですが,これから数十年後の豪華マンションは,どんな人が住み,そこで幸福な生活を営んでいるでしょうか。余計なことですね。ただ,建てるべきものは,もう少し違うものであるような気がしてなりません。

 

« デジタル・デバイド解消と銀行への期待 | トップページ | 漢字の読み方 »

社会問題」カテゴリの記事