« 叡王戦第3局 | トップページ | 鉄腕アトムの国 »

2023年5月10日 (水)

出社圧力は一時的か

 本日の日本経済新聞の朝刊において,「〈ポストコロナの働き方〉原則出社 圧力にため息 会社選び,『在宅可』が左右」というタイトルの記事が出ていました。「スキルを磨くには対面で仕事をする方が合理的」という,ある会社の20代社長のコメントが出ていた一方で,「ネット環境さえあれば仕事しやすい技術職はコロナ禍で在宅勤務が一般化した。在宅を好む傾向にあり『テレワーク可』で人材を募る企業は多い。対面主義では人材を獲得できない現実がある」と書かれていました。
 テレワークは,技術職に向いていることは当然でしょうが,その他の職種においては,対面型に戻ろうとする動きもあるようです。ただ,そういうことをしていると,若い人材を集めにくくなるでしょう。
 教育の現場でみても,コロナ前からいた学生は,コロナによりリモート講義の導入であったり,対面でもマスク着用を義務付けられたりすることに,当初はかなり抵抗があったようですが,コロナ後に入学してきた学生は,最初からリモートは想定していますし,対面になってもマスクを着用するのに慣れているので,あまり抵抗がないようです(むしろマスクを外すのをいやがる)。対面やマスクなしでやってきた期間が長い人ほど抵抗があるのは当然であり,逆に,短い人ほどリモートやマスクにそれほど抵抗はなくなるでしょう。最初からリモートとなっていれば,覚悟ができているので,むしろ通学や通勤で時間がとられることがないメリットを大きく感じるのは当然と思われます。問題は,こうした労働者側のとらえ方とは別に,(技術職を除き)ほんとうに対面型のほうが,生産性が上がるのかです。これは結局,経営判断にゆだねられるべきことであり,もちろん法律でどちらかに誘導するようなものではありません。ただ傾向としては,今後はテレワークが増えると予想でき,しかもDX時代を支える人材の間に思った以上にテレワークへの支持があるとすると,法制度においても,できるだけ早く対応をしていかなければならないでしょう。テレワークは別に法律で規制されているわけではないので,対応は不要という意見もありえますが,労働法は物理的な「場」で働くことを想定しているので,オンライン中心で働くデジタル時代になると,対応すべき問題や対応方法も変わり,労働法の根本的な構造を変える必要が出てくるのです。私がいう「デジタル労働法」はそういうものです。関心のある人は,拙著『人事労働法』(弘文堂)の第10章をご覧ください。

« 叡王戦第3局 | トップページ | 鉄腕アトムの国 »

テレワーク」カテゴリの記事