強いタイガース
交流戦前に貯金17,2位とのゲーム差が6というのは,驚く成績です。昨年とメンバーはあまり変わっていないにもかかわらずです。岡田監督の評価は高くなっていますが,たしかに試合後のインタビューを聞いていると,選手起用などについてすべて理由が説明されており,理詰めで野球をしていることがよくわかります。また選手を動かすということなので,まさに「人事管理」の手法と重なるのですが「アメとムチ」をうまく使っているように思います。
岡田野球は守備重視です。かつてスラッガー(slugger)だった岡田監督ですが,野球で重要なのは守備であり,4打席か3打席に1回しかヒットを打てない打者に多くを期待できないことを前提に戦術を立てています。ホームランというような派手なものを求めておらず,打点と四球を重視しているのは当然といえ,納得です。強引な打撃をいやがり,アウトになってもフォームが崩れるようなものでなければ評価するというのも岡田監督の視点です。かつての監督時代には投手を酷使するという批判もあったのですが,それが頭にあるのでしょうか,投手には無理をさせない起用法をとっています。
監督は貯金23で優勝できなかった2008年のことを気にしています。この年は8月に北京五輪があって,主力選手が離脱したことが大きかったのです。大逆転した巨人も五輪には選手を出していましたが,阪神は新井(現広島監督),矢野(前阪神監督),藤川という主力が招集され,調子が狂ってしまいました。7月にはマジックが点灯していたのに,まさかの失速で,その責任をとって岡田監督は辞めたのですが,それでも2位ですし,辞める必要はなかったものでした。2005年に優勝しており,監督としての実績も十分でした。今回の快進撃は実力どおりというところでしょう。それでも2008年の悪夢があるので,岡田監督はまったく油断していないと思います。優勝とは言わず「アレ」としか言わないのも2008年のことがあるからでしょう。簡単に優勝という言葉は口にしないのです。勝負は9月です。そのときの敵がどこになるかはわかりません(中日はないでしょう)が,いまから抜かりなく準備をしていることでしょう。
今日の交流戦の初戦の西武戦も勝ち,9連勝で貯金は18に膨れ上がりました。今日は先発メンバーに交代はなく,投手も村上が8回まで投げ,9回に湯浅が抑えるというだけで,ほぼ最小メンバーでの勝利です。代打も代走もなく,監督は試合が始まる前に先発メンバーを決めただけで,あとは何もしないで勝ってしまったようなものです。事前に入念に戦略を練り上げていて,ゲームのなかではバタバタしないのです。監督が変わると,ここまで野球が変わるのかと感じさせられてしまいますね。
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