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2023年5月24日 (水)

育児支援の財源

 今朝の日本経済新聞の社説の「育児支援の財源は消費税を封印するな」は,なんとなくもやもやしていたことを,しっかり書いてくれていると思いました。私は,自民党が次の衆議院選挙に勝つために,現役世代からは,源泉徴収でとりやすく,企業負担もある社会保険料を財源にするのがよく,消費税は日常生活に増税感があるので避けたいという政府の意図がミエミエだと思っていました。しかし,社説でも書かれていたように全世代で負担するためには消費税が一番よく,これだとリッチで消費も多い高齢者世帯からの負担が増加するので公平でもあるといえそうです。そもそも税金も社会保険料も国民の負担としては同じであり,かりに所得税を上げなくても,社会保険料が上がれば,同じように手取り賃金が減るのです。どちらも源泉徴収できるので,政府としては取りやすいものです。ただ,さすがに防衛費の増額でも所得税の引上げ(復興特別所得税を減税して,その分を新たな付加税とする)をしようとしているなかでは難しいということで,社会保険料一でいこうということなのかもしれません。少子化対策にうまく利用できれば,将来における社会保険料の拠出を増やすことができるという「説明」がつく点も,社会保険料の引上げが候補に挙がる理由なのでしょう。
 しかし,社説でも書かれているように,社会保険料の引上げは現役世代だけが負担となりますし,経済界が主張しているように賃上げの努力に水を差すということにもなります。財源を後回しにして「異次元の少子化対策」を打ち出し,財源はあとから考えるという杜撰なことをやっているので,いろいろ問題が出てきます。衆議院を解散するのなら,少子化対策の必要性を首相が自分の言葉でしっかり語り,そのために財源確保の必要があることをきちんと説明して,消費税の引上げを国民に正面から問うという形にしてもらいたいです。私は無責任な減税はすべきではなく,むしろ歳出削減の徹底を図りながら,それでも必要な増税はきちんと政府が説明をしてくれて納得のいくものならやむなしという立場なので,一国民としては,重税感を緩和する源泉徴収で取るということを安易に考えずに,正攻法でやってほしいなと思っています。

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