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2023年5月 4日 (木)

漢字の読み方

 ウクライナから日本に避難してきた人は,大人であれば会話がなんとかできれば,もしかしたら仕事がみつかるかもしれませんし,職場によっては英語ができれば十分ということがあるでしょう。しかし子どもが学校を通うとなると,やはり日本語の読み書きができなければならないでしょう。そのハードルは高いと思います。日本人だって十分に日本語の読み書きができないことがあるからです。そもそも大学入試に漢字の読み方がでるというのは,それだけ難しいということでもあります。
 漢字の音読みは,中国から伝来したときの読み方に従っているので,それにより呉音,漢音,唐音に分けられます。「明」などは,「めい」,「みょう」,「みん」などと発音されますが,「みん」は唐音で中国の王朝名でしか聞いたことがありません。「めい」(漢音)と「みょう」(呉音)の区別は難しいです。こういうのをきちんと区別できなければ試験で点をとれません。ただ,日常の話し言葉では,間違っていても,結構伝わるかもしれません。「光明」は「こうみょう」「こうめい」どちらも大丈夫でしょう。一方,「行灯」のような言葉は「あんどん」以外の読み方では伝わらないでしょうね。これは唐音ですが,唐音には難読漢字が多いようです。
 ちなみに先日紹介した拙著を使った大学入試の問題では,「破綻」「享受」「勃興」の読み方が試験に出ていました。「享受」はともかく,「破綻」の「綻」と「勃興」の「興」はやや難しいです。試験対策をしていれば問題ないものですが,「綻」は「定」にひきずられて「じょう」と読みがちですし,「興」は「きょう」か「こう」の区別が難しいでしょう。できれば学校では,なぜ「行灯」が「あんどん」かはともかく,「綻」がなぜ「たん」かは教えてもらいたいですね。「興」は「きょう」が漢音,「こう」が呉音です。この使い分けは,たしかに日頃「勃興」などの言葉を使っている大人はできるでしょうが,学生に試験で問うほどのことかは少し疑問です。ましてや外国人に覚えろというのは酷でしょう。
 音読みか訓読みかも難しいです。試験には出ませんが,市場を「しじょう」と「いちば」の使い分けがきちんとできなければ,聞いていて違和感が残るでしょう。コロナのときによく耳にした疫病は「えきびょう」と読むのに,どうして疫病神は「やくびょうがみ」かというのも不思議です。実は疫病は「やくびょう」とも読んでよいようですが,疫病神は「えきびょうがみ」と読むことを私は聞いたことがありません。なお疫病神は,厄病神とも言い換えることができ,やはり「やくびょうがみ」です。
 日本に住む以上,外国人には日本語をしっかり学んでほしいと思うものの,中国から来た漢字の読み方には,日本語としてそんなにこだわる必要はないかなと思ってしまいます。でもやはり読み方を間違えると教養が疑われるので,日本人としてはしっかり勉強しておきましょうかね。
 

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