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2023年4月 3日 (月)

感謝

 2泊3日で東京に行ってきました(今日は年次有給休暇を取得しています)。菅野和夫先生の傘寿のお祝いの会に出席するためです。ここ3年以上,神戸近辺から離れたことはなく,親族以外の人との会食というのもなかったので,ほんとうに久しぶりに社会的な交流をしたという感じでした。東京は外国人が多く驚きました。完全に田舎者ですね。
 神戸に引っ込んでいる私が今回,東京に行くことに決めたのは,菅野和夫先生に,どうしても感謝の気持ちを直接述べたいと思ったからです。お祝いの会は,菅野和夫先生の弟子が一堂にそろいました。外国からの参加もありました。会では先生に順番に近況を報告していくのですが,それを聞いていて,みなさんがほんとうに研究面や公的活動面で活躍されているなと再認識しました。また,若いころ研究室で重なっていた人たちと旧交を温めることができたのも良かったです。あれから30年以上経っているのですが,みんな老けましたし,家族をもつようになって,それなりに所帯じみてはきていますが,でも話をしているとあの頃に戻ったような気がします。10年前の先生の古稀のお祝いの時も集まっていたはずですが,そのときと違った感覚をもったのは,私自身が変わったこともあるのかもしれません。
 ところで,振り返ると,いまの私があるのは,学部生のときに先生がその年の労働法の講義の最終回で研究者の世界を勧めるような発言を聞いたからです。その発言は受講していた学生全員に向けたものだったのですが,どういうわけか私の心に刺さってしまいました。それから大学院に入れていただき,博士号までいただき,神戸大学への就職もさせてもらいました。その恩を返すこともなく,研究面では,道を踏み外して,好き勝手なことをしてきており,とても菅野シューレと胸をはることなどできませんし,先生の前にでると,ただただ小さくなるばかりでしたが,それでもこれまで叱られることもなく,それに甘えてきました。このように好きなようにさせてもらえたことに感謝なのですが,それだけでなく,学部時代に先生があの一言を発されたときに,その場に私がいたことが,いまの私のすべてを決定づけたのであり,そのことの幸運を感じざるを得ません。その意味で,先生の存在そのものが,私の感謝の対象なのです。今回集まった先輩方にはすでに定年を迎えられたり,もうすぐ定年という方もおられましたが,私もそれに近い状況になってきています。研究生活を終えるまえに,先生にこれまで有り難うございましたという感謝の気持ちを直接お伝えできたことにほっとすると同時に,もったいないことに,先生から暖かい言葉までかけていただき,これ以上にない幸福な気持ちになりました。ほんとうに参加してよかったです。

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