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2023年3月 1日 (水)

東京新聞に登場

 3月に入りました。今日は4月のような陽気で,外出するのにコートは不要でした。
 2月は28日までしかないので,あっという間に終わる感じですね。なんで28日までしかないのかは歴史的な経緯があるのですが,もともとは,奇数月は31日,偶数月は30日でした。これだと366日となるので,たとえば奇数月を一つでも30日にしていれば,2月を28日にしなくてもすんだのです。8月が31日になったので,おかしくなったのです。Augustusが悪いのです。そもそも7月以降が,9月以降にずれこんだのは,8月にAugustusが割り込み,その前に7月にCaesarが入り込んでからです。イタリア語でいえば,7sette)から来ているsettembre(英語のSeptember)が9月に,8otto)から来ているottobre(英語のOctober)が10月に,9nove)から来ているnovembre(英語のNovember)が11月に,10dieci)から来ているdicembre(英語のDecember)が12月になってしまっています。ローマの皇帝に左右されてしまっている暦ですが,とにかく2月が28日までというのは,月の感覚が狂ってしまいいやなものです。
 ところで話は変わり,今朝の東京新聞に,私のコメントが掲載されています。前日の15時くらいに大学の総務に取材依頼があって,それが転送されてきました。私はこの日は大学本部の用務中でしたが,予定よりその日は早く業務が終了したので,電話で取材に応じることにしました。Googleの解雇を採り上げるということで,私には解雇一般のことについて質問があったので,お答えしました。いつものように,記事にはそのごく一部が圧縮して掲載されていて,なんだか全体の筋の中ではピンボケのようなコメントになっていますが,こういうことは新聞コメントの場合はよくあるので,あまり気にしないことにしています。驚いたのは,私と並んで登場していたのが,脇田滋先生だったことです。脇田先生と私は学説上の立場はかなり異なりますが,もし今回,私に労働組合の結成についてどう考えるかというような質問があれば,脇田先生と同じようなことを話していたでしょう(ちなみに脇田先生と私はイタリア労働法の研究という点では共通項があり,昔はイタリアの話題でお話しさせてもらったこともあります)。
 私はデジタル化が進むと深刻な解雇問題は不可避となると考えています。今回の巨大IT企業については,必ずしもデジタル化のインパクトということではないのかもしれませんが,ただ急速な技術革新は,一部の産業や職種において,大量の労働需要を生むものの,さらなる急速な技術革新で,成長産業から衰退産業に転落することがありえて,その影響で大量の雇用調整が起こることは十分に想定できました。Googleが衰退産業にあるとは言いませんが,Googleといえども,技術革新の競争の波に飲み込まれていることは間違いないのであり,そのようななかで,どうしてもこういう大量解雇ということは起きてしまうのです。こうしたことは,解雇規制ではどうしようもないところもあるので,雇用不安定時代を念頭に置いた政策的対応が必要というのが,私がずっと主張してきたことです。解雇規制はあっても(外資系企業でも同じように適用されます),それだけでは安心できないのであり,ここは政府がほんとうの意味での労働市場の流動化に対応した政策をとる必要があるのです。最も重要なのは,月並みとはいえ,スキルの習得のサポートであり,流行の言葉でいえば,リスキリング政策となります。

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