いまは震災前?
阪神・淡路大震災が起きたときは,ちょうど東京にいたので,私自身は少し東京で揺れを感じた程度ですみましたが,東日本大震災のときは,ちょうど東京にいたので,おそろしかったです。日本労働研究雑誌の編集会議の真っ最中でしたが,たしか壁か窓にひびが入ったので,あわてて外に脱出し,新橋駅の北口に避難して,そこで互いの無事を祈りながら,解散したことを覚えています(このことは,何度も書いていますね)。あれから12年です。しかし,現在は,震災後ではなく,むしろ震災前という状況です。南海トラフ地震発生のXデーは着実に近づいているはずです。テレワークはBCP(事業継続計画)のためというのは,繰り返し言われていますが,どこまで経営者は本気になって考えているでしょうか。何とかなるというレベルではない規模の地震がくる可能性があるのです。通信や電気が切断されたらテレワークは無理ですが,それが復旧したあと,事業再開をいち早くするためにはテレワークが効果的であることは明らかです。せっかく(?)コロナ禍を機にテレワークが推奨され,その経験も積んだはずなのに,テレワークからもとの対面型に戻す動きが広がっているのは心配です。大学を含めた学校でも,リモート体制が整っていれば,震災後の早期に授業が再開できるでしょう。中央官庁の地方移転が進んでいないのも気がかりです。地震は明日にでも来るということを想定して,そのための準備をすることが,日本に住んでいる以上,避けられないことなのだと思います(別に和歌山県や高知県や宮崎県だけの話ではありません。この地震がくると,おそらく日本全土に大きな影響が及ぶことが予想されているからです)。