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2023年2月15日 (水)

映画「天使のくれた時間」

 「天使がくれた時間」は,2000年の有名な映画ですが,これまで観たことがありませんでした。Nicolas Cage (ニコラス・ケージ)Téa Leoni(ティア・レオーニ)が主演で,監督はBrett Ratnerです。
 13年前に,空港で,ロンドンに旅立そうとするJack に行かないでと懇願する恋人でlaw school生のKateJack はロンドンでインターンシップに行くのですが,Kateはこれが別れになるような予感がしていました。それから13年後,Jackは,ウォール街で大成功し,金融会社の社長となり,裕福な生活をしています。クリスマス・イブでも,大きな商談があるため,翌日の会合を部下に指示します。部下は心の中では反発していましたが,大きな商談であれば仕方がないという感じです。金になることには逆らえないという価値観の人が集まっていたのでしょう。その晩,コンビニで,ある黒人の若者が,店員に当たりくじを引き換えるように要求していたものの,店員がそれは偽物であると言って断っていたので,若者が拳銃を出して脅そうとしました。驚いたJackは,その若者に,自分がくじを買うと言って,その場を収めました。二人は外にでていっしょに帰る途中,若者に何か助けが必要ないかと声をかけましたが,それに対して,若者は,人生に何か足りないものはないかと逆に問いかけてきたので,Jackは必要なものはすべて手にしていると答えました。彼は,これから起こることは自分が招いたことだ,という謎めいた言葉を残して,立ち去りました。
 翌朝,目覚めたとき,彼はベッドでKateと一緒にいました。結婚して13年が経過していた状況に置かれていました。彼は二人の子どもがいて,タイヤの修理工をしていました。最初は新しい環境に合わないのですが,徐々には自分を発見していきます(息子は最初は父が,ほんとうの父ではないとわかるのですが,父が変わっていくにつれて,ほんとうの父であると思うようになります)。しかし,夢(幻想)は覚めて,彼はクリスマスの日に元の高級マンションの一室にいます。前日に,Kateから連絡があったことを思い出しました。Jackは,Kateの高級住宅に行ったところ,彼女は成功した弁護士になっていて,ちょうどパリに移住しようとしているところでした。彼女が電話をしたのは,引越にあたってJackの物を引き取ってほしいと思ったからです。Jackは家に帰りKateと撮った写真を見て過去を思い出し,今度は彼が空港まで追いかけて,コーヒーを飲むだけでいいから,いまは行かないでくれと懇請します。彼がみた幻想を彼女と語りたかったのでしょう。コーヒーを飲みながら,二人が語り合っているシーンで映画は終わります。
 原題は「The Family Man」ですが,これは邦題のほうが洒落ていますね。明らかに「Christmas Carol」(クリスマス・キャロル)を意識した映画ですが,こういう話は外国人が好きそうですね。
 人生には岐路があり,そのどちらに進むかによって全く違った人生が待っています。そのどれが,ほんとうに幸せなのかは,よくわかりません。欲しいものは何でも買えるラグジュラリーな生活を謳歌する人生もあれば,郊外の住宅で,ローンに追われながらも,自分のことを愛してくれる妻と可愛い子供,そして近所の親切な友人たちに囲まれた人生もあるということです。この幻想は,天使からのプレゼントだったのでしょうか。それとも,現実の自分に深い後悔を与えるような残酷な仕打ちだったのでしょうか。Nicolas Cageはあまり好きな俳優ではありません(最近では,「Dark Side」という映画も観ましたが,論評に値しないC級映画でした)が,この映画では何と言ってもTéa Leoniがいいです。Jackの幻想のなかでのKateは,多くの男性にとっての理想的な女性を体現しているように思えます。

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