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2023年2月10日 (金)

子どもたちは,ほんとうにマスクなしを望んでいるのか

 新型コロナウイルス感染症が,2類相当から,季節性インフルエンザ並みの5類に変更されるそうです。インフルエンザ流行期でも,咳エチケットはあるとしても,マスク着用の(事実上の)強要まではなかったわけで,コロナもそれと同様の扱いになるのでしょう。ただ不安もあります。私の身近でも,コロナに家族6人全員かかったという例もあり,その感染力はおそるべきですし,彼らは重症化はしなかったものの,やはり症状が出ている間は咳や高熱に苦しんだようです。これが,よく効く薬のあるインフルエンザとの違いです。
  私は,父への感染の不安をずっと気にしていたのですが,父が亡くなったことにより,それは取り除かれました。だからといって,コロナ前のように戻るというわけにはいきません。これまでオンラインでやってこれたのに,いまさら対面型に戻す必要があるのかという気持ちです。ましてや対面型にするけれど,引き続きマスク着用はお願いしますというのは,困ったものです(マスクは,できるだけしたくないです)。そこまでして対面型でする必要があるのか,ということです。どうしても対面でしなければならないものが,どれくらいあるかを精査すべきでしょう(いつも言っていることです)。地方議会のオンライン化も徐々に進んでいるようで,これは良い傾向です(ただし,採決などは対面型のようですが,これも早晩オンライン化すべきでしょう)。季刊労働法179号に執筆した論文で,団体交渉は,まだ対面型が原則であるだろうから,使用者がオンラインにこだわるのならば,それなりの説明をしっかりしなければ誠実交渉義務違反となるという考え方を示しました。ただし,社会通念が変われば話は変わるということも書いており,個人的には,株主総会,国や地方自治体の議会,様々な政府系の会議,裁判手続などでオンラインが一般的になり,2025年くらいには,オンラインが社会全般に広がって社会通念は変わり,団体交渉の交渉方式も,少なくとも対面型が原則(デフォルト)という状況は解消しているのではないかと予想しています。そして2030年くらいまでに,原則は逆転して,オンラインが原則になっているかもしれません。
 ところで,岸田首相は,今年の学校の卒業式に出る子どもと教職員は原則マスクの着用を不要にすると表明したそうです。着用したい人には不着用を強制したりはしないということのようなので,これはマスク着用を推奨することを止めるということなのでしょう。ただ,感染リスクなどと関係なく,いまさら友だちの前でマスクをつけない顔をさらしたくないという人も少なくないようです。子どもだけでなく,大人もそうです。マスク前の顔を知っている人ならともかく,コロナ生活が3年も続くと,その間に新たに人間関係に入った人もいて,そういう人にはずっとマスク顔のままで通したいという気持ちもわからないではありません。マスクを外せないのは,さぞ不自由だろうというのは,勝手な推測をしているだけともいえます。「君たち,マスクをとって笑顔を見せ合いたいですよね。私が総理として,そういうことを実現してあげます」とアピールしたいのかもしれませんが,いつものように,ポイントがずれているかもしれません。

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