棋王戦第2局
渡辺明棋王(名人)に藤井聡太竜王(五冠)が挑戦している棋王戦第2局は,藤井竜王(五冠)の勝利で2連勝となりました。渡辺棋王は攻めているようではありましたが,藤井竜王(五冠)の角2枚の攻撃が炸裂して,最後は見事に渡辺玉を詰ませました。素人目には,かなり藤井玉も危ない気がしましたし,一方,渡辺玉は金銀でしっかり守っていたようで,AIも途中まではほぼ互角だったようですが,終盤の藤井竜王(五冠)の攻めの切れはさすがでした。藤井竜王(五冠)は渡辺棋王とは相性がよいようで,力強い将棋をみせてくれます。どちらも攻めの強い将棋で,力勝負ができるからでしょうかね。これで,あと1勝で六冠というところまで来ました。六冠を達成すればNHKの速報で流れるかもしれませんね。
順位戦は,B級1組で,羽生善治九段が,横山泰明七段に勝って,降級危機を脱しました。羽生九段は復活していますね。王将戦をみても,いまは渡辺棋王(名人)よりも羽生九段のほうが,藤井竜王(五冠)に勝てそうな気がします。
NHK杯は,藤井竜王(五冠)がベスト4進出を決め,菅井竜也八段と最近結婚を発表したばかりの八代弥七段の勝者と,また佐々木勇気七段が難敵の永瀬拓矢王座を下してベスト4進出を決め,糸谷哲郎八段と広瀬章人八段の勝者と,決勝進出をかけて戦います。誰が優勝しても初優勝というフレッシュな顔ぶれです。
将棋界のビッグニュースとして,小山怜央さんが,棋士編入試験に合格(3勝1敗)して,4月から四段になることになりました。昨日の日本経済新聞の夕刊で森下卓九段が,小山さんはA級に昇級できる逸材と書いていました。過去の編入組は,A級どころか昇級にも苦労し,タイトルをとるようなレベルにはなかなか到達できません。プロ棋士にも調子の波がありますが,ある一時期だけ輝いて勝ちを集めることができると,プロ棋士になることができるという言い方もできます。そこからさらにトッププロになるためには,この波のなかで,下降の期間を減らし,上昇波の頻度を上げることが必要なのでしょう。とくに順位戦などの重要棋戦で,しっかり勝ちを集めることが大切です。
女流の里見香奈さんは,残念ながら,昨夏の編入試験のときに不調の波に当たったような気がします。里見さんには,もしまた受験要件(いいとこ取りで10勝以上,かつ6割5分以上)を満たすことがあれば,再度,挑戦してもらいたいですね(再受験ができるルールなのかは,よく知らないのですが)。