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2023年2月24日 (金)

ロシア人になったフランス人俳優

 フランスの俳優Gérard Depardieu(ジェラールドパルデュー)は,フランスが富裕層に高額の納税を課していることに反発してロシア国籍をとったと言われている人です。たまたま,この人が主演している映画を,AmazonPrime Videoで観ました。IMFの専務理事であるフランス人のDominique Strauss-Kahn(ドミニク・ストロスカーン)のセクハラ疑惑を素材とした「ハニートラップ 大統領になり損ねた男」(原題は,Welcome to New York)です(監督はAbel Ferrara)。主人公のDevereauxは,セックス依存症で,乱交パーティを繰り返す生活をしていましたが,世界経済を動かしうる人物で,次のフランス大統領選での有力候補でした。彼の妻もDevereauxを大統領にしようとして尽力していました。そんなとき,彼がホテルの清掃係の黒人女性に対してセクシュアルな行為を働いたとして逮捕されます。最終的には,無罪となりますが,彼の乱れた生活などが明らかになり,大統領になる可能性もなくなり,妻も大いに失望して去って行きます。映画の詳細はさておき,実在の著名な大物を素材にしてここまで赤裸々な内容で映画にしたことやDepardieuの身体をはった演技に驚きました。2011年のStrauss-Kahnの逮捕は,日本でも報道されて,私もよく覚えています。汚職などではなく,婦女暴行事件ということなので,非常に不可解に思った記憶があります。この映画の邦題は,この事件がハニートラップであったという理解から付けられたのでしょうか。しかし映画を観た限りでは,ハニートラップかどうかははっきりしていないように思えるので,邦語タイトルは踏み込んだものといえそうです。原題は,DevereauxがNew Yorkから帰国しようとして飛行機に搭乗したところ,警察に連れ戻されて再び入国したときにみえた看板であり,もちろん皮肉がこめられているのでしょう。
 ちなみに,このときのフランス大統領はUMP(国民運動連合[Union pour un Mouvement Populaire]。現在の共和党[Les Républicains])のNicolas Sarközy(ニコラ・サルコジ)でしたが,社会党のStrauss-Kahn は,映画と同様,国民の人気が高く次期大統領の有力候補でした。しかし,Strauss-Kahnが失脚したため,それほど人気があったわけではないFrançois Hollande(フランソワ・オランド)が社会党の候補となり,Sarközyを破って大統領となりました。ハニートラップをしかけたとすれば,Sarközyだったのでしょうかね。彼は,現在も,刑事事件を抱えていますが,安倍元首相の国葬で来日したのは記憶に新しいですね(普通の感覚では,刑事裁判で係争中の人を,いくら元大統領といっても,日本に送らないと思いますが,日本側も,それなりの人なら誰でもいいから来て欲しいと思っていたから,文句は言えなかったのでしょうかね)。
 ところで,Depardieuは,ロシアのウクライナ侵攻問題をみて,どう思っているのでしょうか。Putinを批判したという話がメディアに出ていましたが……。西欧からロシアに逃避することは,欧州では日本ほどはハードルが高くないのかもしれません。Putinと仲の良い欧州人は多いようなので,Depardieu以外にも,いま後悔している人は少なくないかもしれませんね。

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