王将戦第2局
藤井聡太王将(五冠)に羽生善治九段が挑戦している王将戦は,藤井王将先勝を受けて,第2局が大阪高槻で行われました。摂津峡花の里温泉山水館が対局場です。この温泉には行ったことがありませんが,将棋のタイトル戦で使われるようなところには,ぜひ行ってみたいと思っています。
この対局は,羽生九段が勝ちました。何と言うか,執念が感じられましたね。先手番なので,入念に作戦を練り上げて試したという感じでしょうか。藤井王将を,強引な攻撃へと引き込んで,最後のほうは,いろいろ藤井王将のきわどい罠が仕掛けられていたのでしょうが,しっかり読んでそれを回避して勝ちきりました。私は,レジェンドの大棋士が,20歳の新たな天才棋士に全力で立ち向かい,勝利をおさめたことに感動をおぼえました。7番勝負ですので,まだ先は長く,このあと羽生九段がどれだけ勝てるかはわかりませんが,この1勝は印象に残るものとなるでしょう。
A級順位戦は,藤井竜王(五冠)が豊島将之九段に勝ち,6勝1敗で単独トップになりました。5勝2敗で追いかけるのが,斎藤慎太郎八段,広瀬章人八段,菅井竜也八段の3人です。渡辺明名人への挑戦者は,この3人以外に,現在4勝3敗の豊島九段と永瀬拓矢王座にもチャンスは残っています。しかし藤井竜王がこのまま逃げ切る可能性が高いでしょうね。降級は残り一人で,3勝の稲葉陽八段,2勝の佐藤天彦九段,1勝の糸谷哲郎八段の誰かとなります。稲葉八段は1勝すれば残留確定ですが,最終局が藤井竜王で,順位が悪いので,次の糸谷八段との対局で勝たなければ危なくなります。糸谷八段は順位が2位といいので,稲葉八段に負けても,天彦九段が菅井八段に負ければ残留の可能性はあります。名人挑戦争いも降級争いも,今年のA級は熾烈です。B級1組は,快調にトップを走っていた中村太地七段が,澤田真吾七段に敗れて8勝2敗となり,順位がよくないので2連勝しなければ昇級は難しい状況になってきました。澤田七段は7勝3敗で昇級のチャンスが残っています。また順位がよい山崎隆之八段も6勝4敗ですが昇級のチャンスがあります。佐々木勇気七段も7勝3敗で昇級可能性が高いですし,4連敗後に7連勝している近藤誠也七段は最終局が空け番なので,次局に勝って8勝すればライバルたちにプレッシャーとなるでしょう。B級1組の昇級争いも,最後まで目が離せません。私は,最後は,残りの2局を連勝した中村七段と佐々木七段の昇級とみていますが,どうなるでしょうかね。