« Withコロナ | トップページ | 授業開始 »

2023年1月 5日 (木)

小塩さんの論考に学ぼう

 昨年1221日の経済教室に,小塩隆士さんの「あるべき社会保障改革(上) 支え手増加の勢い 後押しを」が掲載されていました。社会保障財政の支え手として高齢層が貢献しているというデータを示し,少子化対策のような,時間もかかり効果も不明な政策に頼るよりも,「人々が支え手として無理なく社会に貢献できる仕組みを構築することだ」という提言は,きわめて重要だと思います。「年齢とは関係なく,負担能力に応じて負担を求め,給付も発生したリスクへの必要性に応じたものとするという方針が基本となる」のであり,「将来世代に不要な負担をかけないためには,世の中の支え手を増やし限られた財源を大事に活用するという,よく考えれば当たり前のことを意識的に進めるしかない」というのは,よくかみしめておくべきことだと思います。フリーランス政策も,支え手を増やす政策の一環として位置づけるべきであり,またフリーランスへの社会保障も,雇用や自営に関係なく,応能負担と必要性に応じた給付をするという制度設計を構築する方向のなかで,検討が進められるべきだと考えています。
 政府は,経済学者の意見をよく聞きながら政策立案をしてもらいたいものです。

« Withコロナ | トップページ | 授業開始 »

政策」カテゴリの記事