季刊ひょうご経済に寄稿
一般財団法人ひょうご経済研究所から刊行されている季刊雑誌の「ひょうご経済」(157号)に寄稿しました。タイトルは,「デジタル変革後の働き方の変化」です。
読者が中小企業の経営者向けということでしたので,それを意識して書きました。この研究所は,みなと銀行グループのシンクタンクだそうで,このような地元の研究所の雑誌に執筆させてもらえるのは光栄なことです。みなと銀行は,神戸に住んでいると,みずほ銀行よりも店舗やATMの数では存在感があります。
ところで,昨年はずいぶんと一般向けの論考を書きました。コロナ禍やDXなどで,これからの働き方への不安が高まっているなかで,私への依頼があったのでしょう。今回の論考でも扱いましたが,テレワークがどうなるのかも経営者の関心事のようです。
今朝のニュースで,東京が2022年は転出超過から転入超過に変わったと報道されていました。テレワークができるようになったことによる郊外移転が一段落し,やむを得ずテレワークをしていたり,させていたりした従業員や企業の東京回帰が強まっているとの見方もできそうです。しかし,トレンドとしては,こうした東京回帰は一時的なものではないかと思っています。急激に転出が起きたので,揺り戻しがあるのは当然でしょう。
これからの若者は,なぜ対面型なのかを問うようになるでしょう。対面型のメリットがあると考えている経営者が,そのことを若者にしっかり説得できるところでは,対面型でも若者は集まるでしょう。しかし,そうした説得ができる企業がどれほどあるでしょうか。日常生活のアナログ要素は残してよいのは当然ですが,仕事の分野でのアナログ要素は,かなりの部分が無駄だと考えている人が増えているように思えます。対面での人間関係の良さは,仕事以外のところでこそ発揮されるのです。そうだとすると,長い目でみれば,テレワークは減ることはなく,東京の転入超過もいつかは転出超過に戻ることになるでしょう。