荒木尚志『労働法(第5版)』
荒木尚志先生から『労働法(第5版)』(有斐閣)をお送りいただきました。いつもどうもありがとうございます。現在の労働政策の法理論的基礎を知るうえでも,また最近の新たな動きがしっかり説明されている点でも,とても参考になります。第5版の「はしがき」をみているだけで,この2年あまりの間における労働法の動きがとてもよくわかります。また,説明項目もかなり追加されていて,より充実したものとなっています(「退職金の複合的性格」のような従来からある論点もありますが,「労働者協働組合」のような新法の情報もあります)。労働法制の変化がこれほど激しくなってくると,その方向性がみえにくくなっていますが,このあたりは,本書の第27章で「雇用システムの変化と雇用・労働政策の課題」というところで,表題のとおりに,これまでの変化と課題がまとめられていて,とても参考になります。デジタル化の影響という視点はみられませんが,それはおそらく次の版では登場するのではないかと思っています。
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