季刊労働法に登場
季刊労働法の最新号(279号)で,論文を二つ執筆しています。一つは,イタリアの解雇の金銭解決についての論文で,前にもこのブログで書いたように,こういう重い作業は,もはや私にはやる力はないのですが,若手が多忙ということで,登場することになりました。2012年の改革についても,それを紹介する論文を同誌に書いていたのですが,そのときはイタリアの解雇法制の改正を時系列で淡々と書いてしまい,イタリア法に関心のない人には,あまり面白くなかったと思うので,今回は,もう少し読者目線に立とうと思いましたが,どうだったでしょうか。イタリア法研究としては,憲法裁判所に対する判例評釈などをもっと分析して書くべきだったのかもしれませんが,それをきちんとするにはかなり時間を要しますし,とくに新しい判決については,十分に論評がそろっていないこともあり,今回は速報的な意味をもつものにとどまっています。より詳細なものは,若手研究者にゆだねたいと思います。
もう1本は,オンライン団交についての論文です。この問題について考えているうちに,団交法理について大学院生がもつような初歩的な疑問がいろいろ出てきたので,それについてまず基本から考えようと試みました。だから「覚書」という副題をつけています。神戸労働法研究会で一度報告しましたが,その後もいろいろ考えて,かなり修正を加えていますし,さらにブラッシュアップする必要もあると思っています。いずれにせよ,あたかも実務を知らない人が言いそうな書生くさいことを書く一方,労働委員会の実務を意識したことも書いており,自分でも不思議なテイストの論文になってしまいました。肝心の結論については平凡なものになっているかもしれませんが,今後の議論に何か貢献できているでしょうかね。デジタル関係については,いろいろ書いていますが,団体法について論じたものは初めてだと思います。
論文のなかで,山形大学事件・最高裁判決にも言及していますが,同事件については有斐閣の重要判例解説の執筆があたっているので,字数は限られていますが,きっちり書きたいと思っています。
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