モンスターは強かった
サッカーのW杯は終わったような気分でいますが,決勝と3位決定戦が残っています。フランスが勝てばあまりに普通なので(久保建英選手も同意見のようです),個人的にはMessiのアルゼンチン(Argentine)にチャンピオンになってもらいたいですね。あの年齢で,あの切れ味はすごいです。W杯は日本の活躍が話題になりましたが,実は最大の勝者はAbemaでしょう。朝起きれば,まずAbemaでハイライトを観るというのが定着しましたから。全試合の放映権を得たのはすごいです。もともと将棋の中継でも観ることが多かったのですが,これで多くの人が,Abemaを知ることになったのではないでしょうか。
ところで,先日の井上尚弥の試合は,Abemaではやっておらず,地上波でもやっていなかったのですが,少し時間差はありましたが,ネットでほぼライブで観ることができました。井上圧勝で,バンタム級の4団体統一を達成しました。相手はWBOチャンピオンのイギリス人のPaul Butlerでした。この試合は,相手がまったく攻めて来ずにひたすら守るだけという異様な戦い方をしていて,途中では井上は,手をだらりと下げて,あしたのジョーのようなノーガードの姿勢をみせたり,顔を突き出したり,両手を後ろに回したりと,相手をさんざん挑発しましたが,攻めてきませんでした。こういう完全防御姿勢の相手に,サッカーで言えば,どうやってゴールにボールをこじいれるのかという感じでしたが,判定になるかが気になりはじめた11ラウンドに,ガードの上からのように見えましたがパンチをたたき込んでKOしました。強さは異次元です。日本ボクシング界の最高傑作と呼ばれ,体重別の競技ではありますが,全階級を通じてもトップクラスの選手であることは,いまや世界でも知れ渡っています。Butlerは情けない試合ではありましたが,チャンピオンになったばかりで,井上との対戦をしばらくは回避することもできたのでしょうから,この時期によく対戦してくれたと言うベきなのかもしれません。
これで井上はバンタム級を卒業し,スーパーバンタム級に上げて,ライトフライ級,スーパーフライ級も含めた4階級制覇に挑むことになりそうです。井上の場合,すぐに世界戦となると思いますので,また来年も楽しみです。今回も計量でプチ騒動がありましたが,減量に苦しんでいるようなので,スーパーバンタム級が適正階級なのでしょうね。右のパンチの破壊力は桁はずれで,スピードもあり,防御技術も高い井上は上の階級でも活躍できるでしょうが,体重の差というのは,やはり大きい面もあるようなので,そう簡単にはいかない可能性もあります。
11月にあった寺地拳四朗と京口紘人の日本人チャンピオン同士の対決も面白かったです(寺地のKO勝ち。こちらはAmazon Primeだったと思います)。井上は強すぎるので,ボクシングの面白さという点では,寺地のほうが見せてくれる感じもしますが,このほか井岡や谷口も含め,日本人チャンピオンにはぜひ頑張ってもらいたいです。

