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2022年9月12日 (月)

「ちむどんどん」の楽しみ方

 自民党の政治家(落選中)が「ちむどんどん」の内容がひどいとNHK批判をしているようです。政治家がどう言うかはさておき,これだけ批判が集まる朝ドラも珍しいのではないでしょうか。民放なら批判があっても視聴率が高ければそれだけで成功ということかもしれませんが,NHKはそうはいかないでしょうね。ただ,私は,この番組が好きで,これまで全部観ています。
 嫌われるのは,ストーリーが強引とかそういう理由もあるでしょうが,前にも書いたように,私はそれほど気になりません。このドラマは,ストーリー展開の洗練性よりも,別のものを大切にしているのでしょう。頼りなくも,ピュアに自分の人生を突き進んでいる暢子に,次々に難題が降りかかり,でも家族や周りの人が助けてくれて乗り越えられるという救いがあるところが,それがワンパターンであってもホッとするのです。
 面白かったのは,料理人の矢作が,暢子の店で働くときに,きちんとジョブ型の契約を結んだことです。自分は厨房内で料理することだけが仕事で,接客などは手伝わない,給料の遅配があれば辞める,残業はしないなど契約条件をしっかり提示し,暢子もそれを承諾して雇用契約を結んでいます(自分がいなければ店が回らないことはわかっているので,交渉力では矢作が圧倒的に上です)。実際,矢作は契約以外の仕事はせず,残業もしなかったのですが,それを周りの人間が批判したりします。昭和的な対応です(というか,これは現在でもよくあることでしょう)。しかし矢作の態度は変わりません。今後は日本でも,こうしたスタイルで働くジョブ型のプロ人材が増えていくでしょう。ただ,職場に昭和時代の価値観が残っていれば,矢作のケースのように,うまくいかないこともあるので要注意です。ちなみに,矢作は,経営者である暢子の信頼の厚さに感動して,ジョブ型を捨てて働くようになります。ジョブ型を徹底できないウエットなところも,日本人の琴線に触れるところかもしれません。
 こういう視点で番組を楽しむこともできるのです。今月で終わりになるのが残念です。いままで家族に迷惑をかけどおしであった長男の賢秀が,最後にどうなるかが楽しみです。子どものときに大事に飼育していた豚を両親が勝手に解体して,お客さんにだしたときに涙をしていた賢秀が,大人になって,その豚のおかげで,失敗続きの人生を大逆転というようなフィナーレになればよいですね。

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