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2022年9月10日 (土)

コロナ規制の緩和にも丁寧な説明を

 日本人女性と結婚して近所に住んでいる(やや高齢の)イギリス人は,一時帰国後,日本に戻ってきましたが,日本人のほとんどがマスクをしているのに驚きだと,マスクをせずに話しかけてきました。思わず後ずさりしたくなりましたが,マスクなしはイギリスだけでなく,現在の国際標準なのでしょうね。日本だけがコロナ鎖国をしていてよいのか,という批判は,国の内外で上がっています。円安のメリットは,観光業が受けるはずだけれど,そうなっていないという批判もわからないわけではありません。
 そういうこともあり,7日から水際対策が緩和されました。入国者の上限が2万人から5万人になり,72時間以内の陰性証明書は,ワクチン3回接種で免除となり,さらに添乗員なしの旅行も可(個人旅行は不可ですし,ビザ取得は依然として必要)ということになりました。これでどれだけ外国人が来るようになるか,よくわかりません。一方,旅行業者をとおして,マスク着用の徹底を求めるということになっていますが,外国人相手にどこまで実効性があるかはっきりしないので,不安もあります。
 ところで,7月の世界陸上の際に,日本チームで陽性者が次々と出てしまって,棄権せざるを得なかったということがあったのですが,報道によると,検査は義務づけられていないのに,日本チームは自主的にやっていたために,陽性者が出てしまっただけで,検査をしていない外国人に陽性者がいなったとは言い切れないようです(世界陸上,
日本代表でクラスターが発生した本当の理由は? 「他の国はまともに検査していなかった」
)。この情報が正しいとしても,もちろん正直者はバカをみるという話にしてしまってはダメで,陽性者であるならば,激しい運動をしないほうが自身の健康のためには必要なので,日本チームは医学的には正しいことをしていると言うべきなのでしょう。ただ,この競技に人生をかけてきたような選手にとってみれば,外国人は検査をしないまま自主判断で出場しているのであれば,自分たちも同じようにできればと思ったことでしょう。そもそも,世界陸上で,なぜ検査を義務づけていないのかも不思議です。医学的にみて,コロナは恐れる必要がないということなのでしょうか。そうすると,日本だけ,国際標準から外れた過剰な規制をしているのでしょうか。
 ほんとうのところは,外国では,日本人ほどコロナに警戒してこなかったので早めに集団免疫ができてしまって,国としては,インフルエンザ並みの警戒でよいということになっているのかもしれません。それが国際的なスタンダードになって,検査不要とする上記の扱いにつながったのかもしれません。
 集団免疫を早期に獲得するために,あまり過剰には予防しないというのは,一つのやり方なのでしょうが,それはおそらく基礎疾患のある人や高齢者の命を危険にさらしても構わないということを意味するのであり,日本のように高齢者が多い国では,なかなか受け入れられないでしょう。今回露呈した医療体制の問題もあって,すぐに治療をしてもらえない可能性があるという事情も考慮する必要があるでしょう。
 以上は素人意見にすぎないのですが,いずれにせよ,いま自分がどういう行動をとるべきかを判断するうえでの十分な情報がないのが困ります。感染者の療養期間は,症状がある人は10日から7日に,症状がない人は7日から5日に短縮されました。日本人同士なら,ほとんどの場合,マスクを着用し,慎重に行動しているので,この程度の短縮なら問題はないのかもしれません。しかし,私たちがコロナ対策の専門家の代表と思っている尾身茂氏(基本的対処方針分科会長)の「短縮に懸念を持つ専門家が十分に議論する場がなかった」というコメントをみると(尾身氏「政府と距離感」 療養期間の短縮で苦言「十分な議論ない」),不安となります。加藤勝信大臣は,部会内で十分に議論したと言っていますが,政府がこれまで頼ってきた専門家が懸念を表明している事実は軽視できないでしょう。全会一致でなければダメというつもりはありませんが,これもまた政府の丁寧な説明が必要なテーマなのです。

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