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2022年8月23日 (火)

首相のテレワークに思う

 さすがにこれだけ連日,旧統一教会系のニュースが出てくると,自民党の支持率が下がるのはやむを得ないでしょうね。岸田首相としては,清和会の問題と言いたいところでしょうが,自分で選んだ閣僚にも教団と関係があった人がたくさんいるし,報道が確かであれば,前経産大臣で現在の自民党の政調会長は教団と濃密な関係があります。首相は得意の「検討する」とか「しっかり取り組む」という類いの言葉で逃げ切るのは容易ではないしょう。
 コロナ感染は気の毒ですが,タイミングとしては最悪で,同情よりも危機管理のなさが非難されています。テレワーク派としては,ここで首相も公務をテレワークでしっかりできるとアピールして,日本でのテレワークの定着に貢献してくれればよいなと思っていたのですが,テレビで映し出されていたのは,モニターの向こうで首相が話をしていて,手前にぶら下がり記者が並んで聞いているという異様な風景です。ここはZoomミーティング(役所だからWebEXか?)だろうと,多くの人がツッコミを入れたことでしょう。首相がリモートなのだから,ぶら下がるほうもリモートでということにならないのが情けないです。
 岸田首相が行く予定であったTICAD(アフリカ開発会議)では,最後のフロンティアと言われているアフリカをめぐる重要な話合いが予定されているようです。首相がリモートで参加するということで,これでうまくいくのなら,別にいちいち国際会議に行く必要はないことになり,こういうことが積み重なっていけば,テレワークの推進に追い風となるでしょう(航空会社は出張がなくなり困るでしょうが)。他方で,国際会議で大切なのは,公式のやりとりだけでなく,メディアでは扱われない「密約」のようなものなのだという話もあります。公式のやりとりは儀式にすぎないので,見栄えがどうかという問題を除けば,リモートでもやれてしまうのでしょうが,首脳どうしが腹を割った話をするのは対面型でなければできないのかもしれません。個人的には,そういう密約的なもので物事が決まっていくことに不信感があるので,やはりテレワークでやってもらいたいと思う反面,外交が現実には密約で決まるのであれば,リモートでしか参加できない今回の状況はデメリットになると思うところもあります。
 ところで,まったく次元が異なることですが,私は海外旅行のような大きな行事がある前には,風邪をひくなど体調を崩さないように注意をするようにしてきました。もう10年くらい前になるでしょうか,海外旅行の前に,ついうっかりと,ある焼き鳥屋(その頃は六甲にあった名店で,いまは芦屋にあり,巨人の選手が遠征時に食べにいく店です)で,店長の勧める生の鶏肉をつい食べてしまって,あとで深く後悔したことがありました。そのときは酒をけっこう飲んでいたので,勢いで食べてしまったのですが,カンピロバクターの恐怖にその後ずっと苛まれました。幸い発症はせず(店長は信頼のおける人で,たぶん心配のない鶏肉だったから出してくれたのでしょうが),事なきを得ましたが,そのときの経験から旅行前は食べ物も含め,いろいろと注意をする必要になりました。いまは海外旅行はしませんが,コロナ禍という状況なので,何か大きなイベントがある前には,他人にはできるだけ会わないようにするなど行動を自制しています(もともと自制をしていますが)。
 もちろん首相の今回のことは,久しぶりの休日で自身の休息や家族サービスをしていたのでしょうし,そのことを責めることはできません。休息や家族サービスはむしろ好ましいことであり,むしろ自身の健康や家族を犠牲にして政治一筋という人は,国民にも無理なことを求めてきそうで,かえって信用できません。とはいえ,このタイミングでの感染は,イメージとしてはよくないですね。

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