里見さん初戦は敗れる
里見香奈女流五冠(先日のブログで女流四冠と書いていて失礼しました。8月3日に加藤桃子清麗から,タイトルを奪回して復位して,五冠に復帰していました)の編入試験の初戦は,徳田拳士四段の快勝でしたね。徳田拳士四段は現在9連勝中の絶好調の棋士で,さすがに相手が強すぎた感じです。里見さんの得意戦法は振り飛車(とくに中飛車)ですが,トッププロで振り飛車党は,あまりいません(A級では菅井竜也八段だけ)。広瀬章人八段や永瀬拓矢王座は,かつては振り飛車党でしたが,居飛車党に転向して,ぐんと成績を上げました。AIでも,振り飛車を採用しただけで,序盤の評価値は低くなります。しかし,里見さんは,この振り飛車で,大勝負を突破しようということであり,これからの奮闘に期待です。
ところで,王位戦第4局は,豊島将之九段のコロナ感染で延期になったのですが,棋士は,感想戦以外は,互いにしゃべったりはしませんし,基本的にはマスクをずっと着用しているので,本人の体調が悪い場合はともかく,無症状であれば,とくに延期する必要がないのかなという気もしないではありません。ただタイトル戦は,その前日の前夜祭などの行事があるので,そういうことも考慮しなければならないのかもしれません。もっとも,対局場となっていたところ(一般にホテルや旅館が多いのですが)は,とくに2日制のタイトル戦(名人戦,王位戦,王将戦)でキャンセルとなると大きな穴があいてしまい,(キャンセル料は発生するかもしれませんが)困ることが多いでしょうね。
ところで,将棋の対局の2日制というのは,プロ棋士からすると実力が発揮できるという点で望ましいのでしょうが,ネットで,ライブ中継される現在では,視聴者にはちょっと間延びしてしまうところもありますね。最終盤で接戦のときはスリリングですが,1日目などは手はほとんど進まないことが多く,解説者も無駄話が多くなります(その無駄話が好きなファンも多いのですが)。昨日の里見さんの対局のように持ち時間が3時間くらいが,Abemaで観戦するような場合にちょうどよいのでしょうね。私もずっと観ているわけにはいきませんが,休憩をとるときには横に置いているタブレットで観ています(最高裁の判例によると,休憩中ではなく,勤務中であれば,タブレットのチラ見でさえも職務専念義務違反と言われるのでしょうかね)。