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2022年8月15日 (月)

スタートアップの成功の秘訣?

 テレ東BIZの「セカイ経済」(Fundinnoの宣伝番組?)で,韓国でユニコーン企業(評価額が10億ドルを超える,設立10年以内の未上場のベンチャー企業)が日本(10社)の倍近くの18社生まれているということで,韓国の経済がどうして活気があるのかということが採り上げられていました。結論は,韓国は,1997年のIMF危機で国が生まれ変わったということでした。国家が破産しそうになって,危機バネが働いたということでしょう。
 韓国は,人口が日本の半分で内需が少なく,スタートアップは,最初から海外戦略を考えていることが多いそうです。確かにエンタメ部門をみると,BTSしかり,「パラサイト―半地下の家族」のアカデミア賞受賞もしかりです。
 また,韓国人は,アメリカなどの海外志向が強く,そこで知識と人脈を身につけようとする意欲が強いようです。もともとリスクをとるメンタリティがあり,失敗を恐れない国民性であり,ベンチャー精神が強いということもいえそうです。
 その一方で,極端な競争社会です。韓国の学歴社会ぶりは,日本の比ではありません。それに,儒教社会なので,若い上司の下で働くのを潔よしとせず,出世の可能性がなくなった人は早期退職を選びます。結果,事実上の40歳定年となっているそうです。
 目上の人は敬うのですが,そのことと競争とは別ということなのです。またシニアの起業はうまくいっていないようです。その結果,高齢者の貧困が深刻となっています。
 政府はスタートアップを支援するファンドに資金を提供して,税金をリスクマネーに投入する冒険をしたのですが,批判もあるなか,こうしたことを断行して,いちおういまのところは成功していることもポイントのようです。
 こうみると,デジタル化にともなうゲームチェンジが進むビジネス界で,韓国はもともとあったベンチャー精神と政府の後押しが,うまくかみ合って成功したという感じでしょうか。ただ,新しい技術に対応できない高年者には,厳しいものとなっているようです。
 さて,ここから日本は何を学べるかです。スタートアップに必要なのは,たしかに企業家精神です。しかし,それは他人と熾烈な競争をするという形で発揮させることが必然的なわけではありません。「アニマルスピリット」と言いますが,ほんとうのアニマルではいけません。ホモ・サピエンスは協力や協調をすることのメリットを知ったから,ここまで生き残ってきたともいえます。
 社会課題に対する鋭敏な感覚をもち,それを,テクノロジーをつかって,よりよく解決できないかを考えて事業化することが,これからのスタートアップの成功の秘訣です。若者が一攫千金を狙ったり,政府の雇用創出事業として考えたりするのもよいでしょうが,それだけがスタートアップではありません。高年法の高年齢者就業確保措置のなかにもある「社会貢献事業」のようなものもまた,これからのスタートアップの有力な一形態かもしれません。みんなが自分のもつ特性(高年齢者なら経験,若者なら斬新な発想や体力など),それに各人の専門性や,男女の視点の違いなどを持ち寄り,さらに外国人の視点も取り入れるなどして,社会で共生する多様な人材が多角的に社会貢献することを支えることこそ,21世紀型社会の中心的な労働政策(かつ産業政策)であると考えています。

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