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2022年7月 1日 (金)

王位戦始まる

 藤井聡太王位(五冠)に豊島将之九段が挑戦する王位戦が始まりました。第1局は,豊島九段が攻め倒しての快勝で,藤井王位には珍しい完敗でした。時間も十分に残していたことからすると,豊島九段の研究成果が出たといえそうです。AIはみんなが活用できるようになっているのですが,それをきちんと使いこなして重要な棋戦での勝利につなげるのは大変でしょう。初戦の勝ちっぷりをみると,藤井王位がデビュー当時にまったく勝てなかった強い豊島九段が復活して,再び藤井王位の壁になるのではないかという期待も出てきても不思議ではありません。ただ,豊島九段は,今期の残された棋戦のうち竜王戦はすでに敗退しているので,まさにこの王位戦で藤井五冠に勝負したいところです。豊島九段は,王座戦でもベスト4に残っていて,永瀬拓矢王座への挑戦を狙っています。
 将棋界のビッグニュースとして,里見香奈女流四冠が,プロ棋士の編入試験を受けることを,ついに表明しました。女性初のプロ棋士が誕生するかは大注目です。対戦相手となる棋士はまだ発表されていないと思いますが,緊張するでしょうね。里見さんの最近の充実度からすると,5局のうち3局勝つというハードルはそれほど高いとはいえず,棋士になれる可能性は5割くらいはあるのではないでしょうか。里見さんは,女流の棋戦とはいえ,タイトル戦を何度も戦っていて勝負度胸は満点でしょう。
 将棋の男女格差は,女流棋士の急増にともない,将棋人口の違いだけから説明するのは難しくなっているかもしれません。男女に本質的な実力差はあるのか。もし里見さんが道を開けば,そのあとどんどん女性のプロ棋士(女流棋士ではありません)が誕生するかもしれません。それにより,男女の実力差は,ほんとうはなかったんだということが証明できればいいですね。

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