棋聖戦
棋聖戦が始まりました。藤井聡太棋聖(五冠)は,挑戦者永瀬拓矢王座との初戦で,タイトル戦での久しぶりの敗戦となりました。二度の千日手となるという大変な戦いとなった死闘を,永瀬王座が制しました。こういう戦いになると永瀬王座は強いです。以前にも豊島将之九段とのタイトル戦で,こういう戦いで勝っていた記憶があります。
今日は第2局が行われましたが,藤井棋聖が勝って成績をタイに戻しました。棋聖戦は5番勝負で,1日制なので,スピーディ-に進んでいく感じがします。藤井竜王(五冠)は,叡王戦はあっさり3連勝で防衛し,この棋聖戦と並行して月末から王位戦の防衛戦も始まります。挑戦者は,豊島九段です。かつての苦手棋士でしたが,昨年は竜王を奪取するなど,最近では連勝しています。豊島九段も,ここであっさり引き下がると,もうタイトル奪取のチャンスがなくなるくらいの決死の覚悟で臨むでしょう。
思えば,藤井竜王(五冠)は,通算タイトル獲得数でも,すでに8となっており,歴代9位タイです(豊島九段はタイトル獲得数が6,永瀬王座は4です)。もし棋聖も王位も防衛すると,通算10となり単独9位で,その上は,第18世永世名人の資格のある森内俊之九段のタイトル12で,早くもこれに近づきます。10代でここまでタイトルをとるのは驚異的です。そのうえの歴代7位は佐藤康光会長(九段)ですが,タイトル13なので,ここまでは来年中に届いてしまうかもしれません。現役では,歴代4位の渡辺明名人(2冠)が31,歴代5位の谷川浩司十七世名人が27です。ここまではちょっと時間がかかるでしょうが,20代のうちに届いてしまうかもしれません(渡辺名人はタイトル獲得数を増やす可能性はありますが)。最終的には,前人未踏の羽生善治九段の99というのがあります。藤井竜王(五冠)であれば,これを追い抜く可能性があるといっても,誰も否定はしないでしょう。羽生九段が99個目のタイトルである竜王を取ったのが47歳のときであり,それと比較すると藤井竜王(五冠)には,あと28年くらい残されていますね。