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2022年5月26日 (木)

高校生の前で話す

 今日は神戸大学Dayというイベントで,神戸大学附属中等教育学校に出張講義に行くという仕事をしてきました。対象者は5年生(高校2年生)で,各学部の教員と学生が,それぞれの学部のことを話して,進路選択の判断材料にしてもらおうという企画でした。
 対面型の講義自体が久しぶりで,しかも高校の教室での授業というのは経験がないことで,少し緊張しました。「起立,礼」から始まり,びっくりしましたし,最後には「お礼の言葉」までいただきました。高校生までは,こういう礼儀正しさを教わっているのですね。
 生徒の机が教壇のすぐ近くまであり,これがどうも落ち着かなかったのですが,教室というのものは,こういうものだったのですね。
 「法学を学ぶとはどういうことか」というテーマで話をしましたが,いま思えば,もっと簡単な話をしたほうがよかったのかもしれません。むしろ雑談で話した,これからの雇用社会がどうなるのか,という話のほうが学生には興味があったようです。AIが仕事を奪うなか,どうすればよいか,というような余計なことを話してしまいました。
 ところで,5月24日の日本経済新聞で法学部離れが進んでいるという記事が出ていました。法学部の人気が下がってきているのは,理解できないではありません。法学にはどうしても保守的であるというイメージがあって,現在のような大きな社会の変革があるなかでは,あまり魅力的に映らないのかもしれません。ほんとうは新しい社会のニーズに合致した法的なルールをつくっていくということは知的刺激にあふれた作業なのですが,それは法学の枠組みから離れていくことになります。法学部離れの背景には,こういうことが子どもたちに伝わっているからかもしれません。もしいま私が学部を選択するとすれば,法学部を選択しない可能性が高いでしょう。そう考えると,法学部自身が変わっていかなければならないですし,そもそも法学や経済学といった既存の学部の分類そのものを抜本的に見直して行く必要があるでしょう。私立大学では,一見すると「怪しげな」(何を学べるのかわからないような)名前の学部や研究科が新設されることがありますが,実はそういうところのほうが,これからの社会のニーズに合致した教育を提供してくれる可能性があるのかもしれません。伝統的な学部でないからといって軽視することはできないでしょう。むしろ従来の看板を背負いつづけているほうが,知的怠慢ということになるのかもしれません。
 いずれにせよ,いまの中高生,小学生に話したいことはたくさんあります。今回は,時間も限られていて,しかもミッションがあったので,個人的にはもっと伝えることができたらという気持ちも残りましたが,それでも,とてもよい機会をいただいたと思っています。

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