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2022年5月23日 (月)

スキップされる授業

 いまはテレビ番組は,リアルタイムではなくても動画配信されるので,パソコンなどで,好きな時間にいつでも,適当に再生速度を調整したり,スキップしたりしながら,視聴するというのが普通になってきています。映画はさすがにスキップはしませんが,ときどき再視聴することもあり,そういうときはスキップもします。ということなので,学生のなかには,私のオンデマンド型の授業も,スキップしたり,再生速度を上げたりして視聴しているんだろうなと想像しています。私は,授業が長くなりすぎないように気にしながら話していて,それでも結局,長いものになってしまって学生に詫びたりもしているのですが,学生は私が思っている以上には長さを気にしていないかもしれません。
 学生も忙しいでしょうから,効率的に早まわしで視聴してもらって結構ですが,ただ学生が考えながら聞いていることを前提に話している面もあるので,復習時の倍速やスキップはよいですが,初めて視聴するときに倍速だと,理解が浅くならないかが心配です。ただ,理解しづらいときには,そのときは止めて聴き直せばよいともいえるので,こちらが心配するほどのことではないのかもしれません。こういうように,学生の方で,講義を好きなように,自分にあった方法で視聴できるというのがオンデマンドのよいところです。こうなると,大講義で聴くよりも,こっちのほうがよいということになりそうですね。もちろん学生に完全に自由にさせると,オンデマンドだと,ためこんで後でまとめて視聴しようということになりがちで,結局,試験前に超倍速で視聴しても,よくわからなかったということになりかねないので,私は授業時間割(オンデマンドでも時間割はあるのです)の日にあわせてアップロードし,それから一定期間が経てば視聴できないようにするという方法をとることにしています。
 これまでオンデマンドのときにはビデオオフにしていたのですが,対面型に近いものをということで,今回はビデオオンにしています。学生が目の前にいないので,対面に近いといっても限界があるのですが,要するに,教師の方が学生が面前にいなくても話せるかということのほうが大切で,学生側にとっては,対面であろうが,オンデマンドであろうが,オンライン・リアルタイム型であろうが,それほど差がないし,むしろ学習効果という点では,学生に好きなように対応できるオンデマンド型のほうが高いのではないかという気がします(もちろん科目の内容にもよるのでしょうが)。 
 これがこれからの学習のあり方だとすると,定年後は,どこの大学にも所属しなくても,労働法などのコンテンツを配信するユーチューバーとして頑張るという方法もあるような気がしてきました。そのためには視聴者にスキップされず,じっくり視聴してもらえるような「講義力」を身につけなければなりませんね。私のこれからの課題です。技能訓練は,生涯,続くのでしょうね。

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