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2022年4月29日 (金)

勝率より勝数

  阪神タイガースが,どん底から少しずつ這い上がろうとしています。もちろん今シーズンの優勝は,とっくに諦めており,最初はそれはとてもつらいことでしたが,皮肉にも,とても大事なことを教わった気がしています。これまで,どうしてそんなに優勝にこだわっていたのでしょうか。いまでは,たった1勝であっても,勝利をすごく喜ぶことができます。優勝を争っているという気持ちになると,他のライバルチームが勝ったり負けたりしたことが気になるわけですが,優勝のことを考えないと,他のチームが勝とうが負けようが関係なくなります。阪神タイガースが良い試合をしてくれれば十分だし,それで運良く勝ってくれればとても満足という気持ちになってきました。
 やっとお前もそういう境地に達したかと笑われるかもしれませんが,やっぱりプロ野球は勝たなきゃいけない,優勝目指さしてくれなきゃ,という気持ちはずっともってきたのです(1964年から1985年までの阪神の暗黒時代は私の子ども時代と重なっているので,優勝に縁遠いペナントレースというのは何度も経験はしているのですが)。
 昨日の将棋の桐山九段の話ではありませんが,勝利を積み重ねることがとても大切で,それは長い時間をかけたものほうが価値があるのかもしれません。勝率を考えると一定期間内にたくさん勝ったほうがよいのですが,勝率より勝数なのです。それは,一つひとつの試合を大事にしていくことが大切だということにもつながります。そういうことは,もちろんわかっていたつもりですが,おそらく今の自分の心境とぴったりして,妙に腑に落ちるところがあったのです。阪神は,今シーズンは40勝でよいし,当初の目標であった80勝は,来年度に達成すればよいというような感じです。
 人生でいえば,他人と競争しないで自分のペースで自分なりのものを積み重ねていく。それが自分にとっての「勝利」であり,それが積み重なっていくことが自分の人生の「優勝」 につながるという感じですね。
 ということで,今日,阪神が巨人に勝って4連勝となったのは,非常に満足度が高いです。ダントツの最下位ではありますが,それは関係ないのです。優勝を期待せず,ましてや勝利も期待しなければ,勝ったときの喜びもひとしおです(参照点の引下げ効果)。弱小球団ファンの自虐ネタと思われるかもしれませんが,本人はそうは思っていません。

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