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2022年4月 6日 (水)

真実告知義務

 阪神は昨日連敗を脱出したとはいえ,後半はまったく点がとれず,その悪い流れのまま,今日の試合に入ってしまいました。伊藤は力投して,打点もあげるなど孤軍奮闘しましたが,92死でつまずいてしまい,結局,12回にチームも力尽きました。抑えの投手が不足している弱みが出てしまいました。今シーズンの目標は,優勝などはとんでもなく,なんとか勝率5割を目指すことになりそうです。
 話は変わり,ビジネスガイドの最新号の「キーワードからみた労働法」は,「真実告知義務」というテーマで書いています。個人情報の適正取得やプライバシーなどが問題となっている今日,これは意外と難しい論点です。聞いてはいけないことを聞く方も聞く方だけれど,嘘をつくのもダメだよね,という従来の常識的な議論ではおさまらない話です。それに,真実告知義務には,もっと複雑な話もあって,言って欲しいことを言ってくれないという不作為は,どう評価すべきなのか,という論点もあります。
 ドリームエクスチェンジ事件・東京地判でも,この点に関連して,少し気になるところがあったので,採り上げて紹介しました。この事件では,バックグラウンド調査を人材サービス会社がきちんとやっていなかったことから,企業が前職での本人の地位を誤解してしまっていたということがあり,理論的には,企業が誤解していそうなことについて,労働者側は積極的に誤解をなくすよう真実を述べる義務があるか,という論点があります。なおこの事件は,このほかにも,採用内定取消の有効性,解雇無効とされた場合の賃金請求,中間収入の控除,訴えの利益などの重要論点について,いろいろ興味深い判断をしています。下級審判決とはいえ,検討に値するものだったので,神戸労働法研究会で,1月に千野弁護士に報告していただきました。

 

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