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2022年3月23日 (水)

香川孝三編著『アジア労働法入門』

 香川孝三編著『アジア労働法入門』(晃洋書房)をいただきました。どうもありがとうございました。韓国,台湾,フィリピン,タイ,カンボジア, マレーシア,シンガポール,インドネシア,ミャンマー,インド,バングラデシュ,中国,ベトナム,ラオスが対象国です。各国の情報が項目ごとにコンパクトにまとめられています。長年アジア労働法の研究を引っ張ってこられた香川先生は, 今なお精力的に研究活動されています。私よりも20年先輩であることを考えると,信じられない感じです。上記の国のなかでも,カンボジア, マレーシア,シンガポール,ミャンマー,インド,バングラデシュ,ラオスは香川先生が担当されています。個人的に関心があるのは,マレーシア,シンガポールと吉田美喜夫先生が担当されたタイです。労働法への関心というよりは,国としての魅力ですが,コロナ禍が終わると,また訪問してみたいですね。
 欧州の労働法は,DXへの対応などで一見進んでいるような印象も与えますが,労働の現場における大きな変化への適応力は,アジアのほうがはるかに高いものがあります。欧州の労働法よりも,新しい労働法の可能性はアジアのほうにあるかもしれないという予感は,ずっと前からしています。日本人の間には,アジアといえば,どうしても先進国の法を継受するだけの国という見方があり,大きな関心を持つ研究者は少なかったかもしれませんが,見方を改める必要があるでしょう。私自身,自分で新たに勉強することは難しいかもしれませんが,今回いただいた本を使ってしっかり勉強していければと思っています。香川先生はまだ現役バリバリで頑張られていますが,そろそろアジア法研究をひっぱる後継者も必要かもしれませんね。余計なお世話かもしれませんが。

 

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