SF的手法
今朝の日本経済新聞において,「日立,SFが導く研究開発 小説から新技術を議論 メタバースの課題探る 既存の手法に限界」という長いタイトルの記事が出ていましたが,「幅広い産業で創造的破壊(ディスラプション)が起き,既存技術を積み上げる従来型の研究開発では10年以上先の予測は難しい。小説で描く未来像から必要な技術や法制度を逆算して経営の道しるべにする」ということのようです。
SF小説とまで行かなくても,現実にはまだ空想の世界だけれど,技術が発展すれば出来そうなことを空想するのは,すでに私もやってきたことです。想像力と創造力が大切だというのは,講演でしゃべれば語呂がよすぎて軽い感じになりますが,ほんとうにそういうことが求められているのだと思います。日本企業は,日立のような会社は別なのかもしれませんが,多くは組織の上層部の頭が堅くて,想像力を少しでも働かそうものなら,もっと現実的なことを考えるべきだと叱られそうな感じです。
私はこれからの経営者は,いかにして自分にない創造力(それは想像力を必要とする)を,他人から提供してもらえるかが勝負になるということを書いていて,逆に人材側はそういう力がなければやっていけないと主張しています。SF小説家に頼るのもよいのですが,できるだけ多くの人が,大きなことから小さなことまで,いろんな想像力を働かせるところから,ディスラプションが起きるのでしょうね。
私はこれからの企業は,経営者は,いかにして自分にない創造性(それは想像性にもつながる)を,他人から提供してもらえるかということが勝負になるということを書いていて,逆に人材側はそういう創造性がなければやっていかないと主張しているのです。SF小説家に頼るのもよいのですが,普通の人が,大きなことから小さなことまで,いろんな想像を働かせるところから,企業においても社会においてもディスラプションが起きるのでしょうね。
そういえば,私が5年以上前に連載していた弘文堂スクエアでの「絶望と希望の労働革命―仕事が変わる,なくなる」の 第8回「闘うのはいつだ!」と第9回(最終回)「Reconciliationの力」第9回(最終回)「Reconciliationの力」では,未来の社会の男二人の会話を書いています。想像の世界ですが,自分で読み返しても,結構面白いので,皆さんもぜひ読んでみてください。
それと昨年上梓した『労働法で企業に革新を』(2021年,商事法務)は,最後の場面は,ワインバーをリモートで営業し(バーチャルバー),ソムリエが世界中の人にワインを提供できるという話で終わっています。これはまだSFの世界かもしれませんが,誰かビジネス化してくれたら愉快なことですね。
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