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2022年3月 3日 (木)

人類の愚かさを嘆く

 前にルーシ人のことにふれましたが,現在のウクライナには,もともとルーシという国があったそうです。キエフ大公国とも呼ばれます。このルーシは,言葉からも分かるように,ロシアやベラルーシの国名に残っています。ウクライナもロシアもベラルーシも,簡単にいうと兄弟国です。兄弟のいがみあいだから,わざわざ他国が口をはさむことはないという話にもなりそうですが,そう簡単なことではありません。何よりも,この争いは,世界中を巻き込むおそれがあります。第三次世界大戦は絶対に避けなければなりません。
 連日伝えられているロシア軍の攻撃映像をみると,21世紀の現在にどうしてこんな愚かなことをしているのかと言葉を失います(私が気づかないところで戦争はずっと起こり続けていたのかもしれませんが)。核大国が戦車を使って,明らかに軍事的に劣る他国(しかも「兄弟」国)を攻め,民間人も多数死亡しているなんてことが,この地球上で起きているのです。しかも西側がやっていることが,経済制裁だけでなく,ウクライナへの軍事的な支援です。人類はいったいいつまで無意味な戦争を続けるのでしょうか。世界史の勉強をすると,戦争史の勉強をする感じになってしまいます。いくたの戦争の末,20世紀にHitler が誕生したのです。二度とHitlerの再来を許さないというのが,西欧政治の基本でしょう。Hitlerの再来かもしれないPutinを全力で抑えなければならないのは当然のことですが,この戦争をきっかけに,再び軍拡競争が起こるのではないかが気がかりです。もしそうなれば,地球の持続可能性とは正反対の方向です。Hitlerを生んだドイツは,今回のロシアのウクライナ侵攻をみて,軍事費を増強するようです。日本でも,台湾有事に備えろという声が高まりつつあります。有事に備えるのは当然として,それが軍備増強という手段しかないのだとすると,人類の未来は絶望的な感じがします。
 ホモ・サピエンスはほおっておくと,どうしても殺し合いをしてしまうのかもしれません(ホモ・サピエンスがヒト族で唯一生き残っているのは,他のヒト族を絶滅させたからという説もあります)。人類は自分たちをサピエンス(賢い)と呼んだり,Primates (霊長類)と呼んだりしていますが,ほんとうにPrimate(最高位というニュアンスが入っている言葉)に値する賢さをもっているのでしょうかね。

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