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2022年2月25日 (金)

PWの別送

 最近は減ってきましたが,電子メールでZipファイルが添付されていて,その後にパスワードを記した別便のメールが送られてくるということがあります。これでセキュリティが十分なのか,私にはよくわかりませんが,ただ政府はもうこの方式(「PPAP」と言ったりもするそうです)はとっていないそうです。
 そもそも郵便であっても,書留で送っていない程度の内容のものを,そんなに厳格な方法で送る必要があるのかという疑問があります。役所によっては,何でも書留というところもありますが,いちいち受取をしなければならず面倒です。税金の無駄遣いでもあるでしょう。30年前にイタリアに留学していたときは,郵便が信用できないので,何でも書留(posta raccomandata)で送り,そうでなければ紛失したり大幅な遅延は仕方がないという感じでしたが,日本の状況はそういうものではないでしょう(イタリアでも,現在は違うと思います)。
 それにパスワード別送方式が,どれだけセキュリティに資しているのか,よくわかりません。誤送信対策だとしても,送信先アドレスが間違っていた場合には,パスワードも間違った宛先に送ってしまう可能性が高いでしょう。Zipファイルで圧縮して送る手間は,送信先を間違わないようにすることへの慎重さに充てればよいわけですし,実際にそうしたミスはほとんど考えられません(とはいえ,私もうっかり宛先を間違って送ってしまったことが,ないわけではありませんが)。
 私の場合は,まったく見知らぬ人に添付ファイルを送るというようなことはまずないので,大事な内容の添付ファイルは,その相手との間でしかわからないようなパスワードをかけて,その合い言葉のようなものをつけて送ることが多いですし,私の周りでもそういうことをしている人が多いです。もちろん,どうしても漏れたらいけない超極秘の文書があるときは,そもそもメールは使いません。
 ところで,初めて仕事をした事業者からは,マイナンバーの提示が求められますが,通常は,先方から返信用封筒(書留用)を送ってきます。メールで番号を知らせて欲しいと言ってくるところもまれにありますが,個人情報をきちんと管理できるのか心配になります。もちろん,そういう方法の場合,いくら提示が義務であっても,安全対策をするまでは提示を断ります(某役所でそういうことがありました)。とはいえ書留郵便のほうは,郵便局にもっていかなければならないのが面倒です。最近のあるケースでは,マイナンバー管理サイトを通して提示することができ,ネットで完結できたので助かりました。ただ,こういうケースはごく少数で,主流は,上記のように返送用書留郵便に,台紙も送ってきて,そこにマイナンバーカードの表裏をコピーして切り貼りして返信するように求めるという超アナログな方法です。もちろん,セキュリティ無視のメール送信での提示要求は論外です。パスワード別送のような半端なセキュリティ対策をする企業が多いという現状もあわせて,これが現在の日本のデジタル技術のレベルを示しているのかもしれませんね。

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