経済教室に登場
日本経済新聞の経済教室に登場しました。テーマはテレワークです。テレワークのことは,すでに明石書店から刊行した『誰のためのテレワーク?ー近未来社会の働き方と法』(2021年)で詳しく書いていますので,詳細は同書を参照してください。テレワークはコロナ禍で経験者が増えましたが,本格的な導入は広がっていませんし,コロナ後どこまで定着するかは何ともいえないのですが,DXの広がりとテレワークのもつ価値(書籍では,労働者,企業,社会にとっての価値という書き方になっています)を考えると,企業はテレワークに本格的に取り組まなければならなくなるだろうという展望を書いています。DXの部分もまたすでに多くの媒体で書いていますが,新聞という目立つ媒体で書くことができて個人的には満足しています。とくに最後に書いたデジタル時代への政策課題は,最近の私の書くもの(ここ何回かの経済教室も含む)では,お決まりのパターンではあるのですが,これが大切だという私の考えに変わりはないので,何度もしつこく,ただできるだけワンパターンにならないように意識しながら書いています。
経済教室では3000字という制限があるので,絞りに絞って書いています。もっといろいろなキーワードを入れたかったのですが,SDGs,ESG投資などは,昨年5月のギグワークのところでも書いたので今回はあえて入れませんでした(ただ,社会的責任,多様化(ダイバーシティ)経営,環境などのタームを使って実質的には盛り込んでいるつもりです)。ジョブ型,日本型雇用システムという,いつもの言葉も今回は入れませんでした。一方,健康テックの話は学会報告でもふれたことなので盛り込んでみました。
テレワークは,もはや導入するかどうかという問題ではなく,どのように導入するかが問題だという書籍のほうで書いたメッセージは,今回の経済教室でも伝えているつもりです。テレワークはコロナ禍の一時的な緊急避難的な働き方ではなく,DX時代の標準的な働き方となるのです。
コロナ禍は,場所主権と時間主権の重要性を再認識させてくれました。オミクロン株が急速に拡大するいま,たとえ重症化リスクが低いとはいえ,少なくとも仕事を理由として,3密に引っ張り出されることがないような社会をつくっていかなければなりません。そうしたことを可能とするICTを含むデジタル技術がすでに私たちの手にあるのです。
私たちはもともと場所主権と時間主権があるはずではないかというメッセージが,今回の原稿から多くの人に伝われば嬉しいです。
« 山本陽大『解雇の金銭解決制度に関する研究』 | トップページ | プライバシーポリシー »
「私の作品」カテゴリの記事
- 季刊ひょうご経済に寄稿(2023.01.31)
- 「21世紀ひょうご」に登場(2022.12.27)
- NHKに登場(2022.12.26)
- 季刊労働法に登場(2022.12.15)
- 「人事の地図」に登場(2022.12.05)
「デジタル技術」カテゴリの記事
- 賃金格差の懸念と教育の重要性(2023.01.24)
- 授業開始(2023.01.06)
- 天彦の気持ちがわかるかも(2022.11.20)
- オンラインと孤独と孤立(2022.10.21)
- 久しぶりの対面授業(2022.10.11)