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2022年1月15日 (土)

順位戦のプチ波乱

 一昨日の13日に行われたB1組の順位戦は,この日にA級昇級を決めていたかもしれなかった藤井聡太四冠が千田翔太七段に敗れて,82敗となりました。千田翔太七段は83敗です(1局消化が多いです)。一方,前半7連勝で飛ばしていた佐々木勇気七段がまさかの3連敗で73敗となりました。順位が下位なので自力昇級がなくなりました。一方,久保利明九段に勝って7勝3敗になった稲葉陽八段は順位が上(1位)なので,あと2連勝すれば自力昇級(A級に1期で復帰)ができることになりました。たった1日で昇級レースの様相が変わりましたね。なお藤井聡太四冠の最終局の相手は佐々木勇気七段です。もし藤井聡太四冠が残る2局のうち1つでも敗れれば93敗となり,稲葉八段と千田翔太八段(順位7位)がともに93敗となれば,B1組に昇級したばかりで順位が下の藤井四冠(11位)と佐々木七段(12位)は同成績でも頭ハネとなります。という状況なので次局で藤井四冠が阿久津主税八段に勝っても,稲葉八段が松尾歩八段に勝てば昇級は決まらないことになりました(千田七段は空け番)。さすが「鬼の住処」と呼ばれるB級1組であり,そう簡単には藤井四冠をA級に昇級させてくれませんね。
 そのA級のほうは,糸谷哲郎八段が佐藤康光九段に勝って52敗となり,残り2局の連勝を条件にプレーオフ進出の可能性を残しました(名人挑戦は順位では決まりません)。最終戦が現在7連勝中の齋藤慎太郎八段ですので,どうなることでしょうか。一方,永瀬拓矢王座が,佐藤天彦九段に敗れて3勝4敗となりました。最近の充実ぶりからみて永瀬王座の勝利を予想していた人も多かったでしょうが,天彦九段も元名人の意地をみせて残留を確定させました。これで羽生善治九段に自力残留の可能性が出てきました。次が永瀬王座戦ですので,2連勝すると,永瀬王座が最終局に勝っても45敗で並び,順位が羽生九段は8位で,A級に上がったばかりの永瀬王座の9位よりも上なので羽生九段の残留となります。もちろん現在の3勝4敗の広瀬章人八段(順位3位),菅井竜也八段(5位),佐藤康光九段(6位)が連敗して6敗になれば,順位が下のほうから降級の可能性があります。なお山崎隆之八段は,豊島将之九段に敗れて,すでに降級が確定してします(豊島九段は4勝3敗)。

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