迫り来る危機2ー震災の日に思う
迫り来る危機という点では,大地震の危険もあります。これは昨日書いた倒産や解雇より,いつ起こるかいっそう不確実ですが,いったん起きると人命に直結する点で恐ろしいです。
27年前の今日に起きた阪神淡路大震災を知らない若者が増えてきています。ただ犠牲者の家族はまだ周りにたくさんおり,私たち神戸の人間はそういう人たちに寄り添っていくことが必要ですし,同時に次の地震に備えて過去の教訓を伝え残していく必要があります。
大地震というと,高速道路の崩落とか,火災のシーンとか,そういう映像的にインパクトのあるイメージでとらえがちで,そういうものの重要性は否定しませんが,より重要な教訓は地震が起きたときにどう行動したらよいのか,どう行動したらまずいのか,というような実践的なことです。例えば,ガラスが割れるので,寝る前には靴下を近くに置いておくといったことは,役に立つ実践的な知識の一つでしょう。
父に,前の1946年の南海トラフと阪神淡路と,どちらの地震のほうが大きかったかと尋ねたら,南海トラフのほうで,あれは怖かったと言っていました。次に来る南海トラフ地震がどの程度のものかわかりませんが,阪神淡路クラスかそれ以上の大地震が来ることは覚悟しておいたほうがよいのでしょう。コロナ対策も必要ではありますが,常に大地震への用心は忘れてはなりません。
トンガの噴火をみてわかるように,火山爆発もまた恐ろしいです。気象庁も予想できないような形で津波が到来したりするなど,まさに人知を超える自然の脅威です。もし日本で富士山が爆発すれば,社会生活は麻痺し,日本の経済は長期的な低迷を避けられなくなるでしょう。企業のBCP(事業継続計画)は,コロナ禍をきっかけに意識が高まってきているかもしれませんが,むしろ地震対策という点で取り組むべきものです。もし起きてしまえば,テレワークを本格導入していない企業はおそらく立ちゆかなくなるでしょうし,政治も地方移転を進めなかったことを深く後悔することになるでしょう。東京に政治の中枢を置くのはきわめてリスクが高いのです。早く政治の中枢機能をサイバー空間に移すなど(もちろんそこではサイバーテロなどの新たなリスクがあるのですが),いろいろ知恵を絞っていく必要がありますが,まずは危機感をもつことが大切でしょう。
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