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2022年1月13日 (木)

悪女考

 前にも悪女のことを書いたことがありますが……。
 昨日紹介した「MEDICI」では,Cosimo il Vecchioの命を助けるためにContessina が活躍したり,Cosimoの長男で頼りないPieroは,妻の才女であるLucreziaに励まされてMedici家を救う重要な演説をしたりするなど,女性が非常に重要な役割を果たします。ドラマの世界ではありますが,史実から完全に離反しているわけではないでしょう。歴史の表舞台は男性が担いながらも,しっかり女性の影の(しかし決定的に重要な)活躍も描けるのがドラマや映画の良さかもしれません。
 今年の大河ドラマの「鎌倉殿の13人」も楽しみにしています。三谷幸喜さんの大河は「真田丸」を観て良かったので期待しています。初回も面白かったです。主役は北条義時ですが,当然のことながら,姉の北条政子が重要な役を担うでしょう。北条政子の場合は,歴史の裏舞台ではなく,完全に表舞台にいるのであり,どのように描かれるかが楽しみです。北条政子は悪女と言われていますが,はたしてそうなのかは疑問があります。確かに,頼朝の後継者である2代将軍の頼家は政子の実子であるものの,北条家のために暗殺させた(?)という話もあります。その弟の3代将軍実朝は,頼家の息子の公暁に暗殺されますが,その暗殺も歴史の闇です。頼朝の浮気相手である亀の前を匿った伏見広綱の屋敷をつぶしてしまった猛女でもあります。ただ鎌倉時代における政子の役割は重要です。武家が朝廷(後鳥羽上皇)と戦った承久の乱の勝利の実質的な立役者であった北条政子が,武家政権の基礎を築いたともいえるのであり,単なる悪女ではおさまらないでしょうし,そもそも悪女と呼ぶべきような人であったのか疑問ですね(彼女の行動は北条家を守るためのものであったと考えれば一貫するという見方もあります)。ちなみに悪女というのなら,昨年亡くなった細木数子こそ,その名に値するのかもしれません。といっても,それは溝口敦『魔女の履歴書』(講談社)の内容どおりであればですが(島倉千代子や安岡正篤が可哀想で,読んでいて気分が悪くなるくらいの悪女です。『女帝』で描かれた小池百合子都知事の比ではないです)。
 現代の日本の政治では,もっと女性の活躍が期待したいところですが,人材不足の印象は否めません。民間企業と同じできちんと育成していくことが必要なのでしょうね。ワクチン担当大臣って誰だったっけというくらい,前任者の河野太郎と比べて存在感がなさすぎます。これだと女性だから要職につけただけと言われかねないです。こういう人事をすることが女性に対する評価を下げて,ますます女性登用を難しくしてしまいます。目先の数合わせにこだわらず,じっくりと育成して,これぞという女性大臣に登場してもらいたいものです(その意味で安易なクオーター制には反対です)。そういう意味でも,今回の大河ドラマにおいて,主役ではないかもしれませんが,偉大な政治家であった北条政子(小池栄子さんが演じます)に注目したいです。

 

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