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2021年12月24日 (金)

音楽の力

 1221日の日本経済新聞の記事に,前にもとりあげたショパニストの反田恭平さんが社長との二刀流で,収益をあげて,日本の若手音楽家が継続的に活動する基盤をつくろうと頑張っているということが紹介されていました。たいへん共感します。音楽は一生楽しめますし,「住みにくい人の世をのどかにして,人の心を豊かにする」(夏目漱石の草枕)という芸術の力を,私たちはもっともっと評価したいですね。
 現在のマイブームはチェロです。ピアノとのアンサンブルのショパンの「序奏と華麗なるポロネーズ」を,よく聴いています。宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」でも有名な楽器です(「セロ」は「チェロ」です。イタリア語ではVioncelloですが,外国では,その後半の「cello」が独立して使われています)が,ヴァイオリンよりも落ち着いた音色で,ピアノとの相性もいいように思います。先日は近所の区役所のエントランスで無料のミニコンサートがあるというので行ってきましたが,チェロとヴァイオリン(2人)とコントラバスの楽器カルテットも聴けて,とても良かったです(チェリストは,地元が誇る崎元蘭奈さんでした)。 そういえば,10月終わりごろには,反田さんらに続いて,チェロでも,ジュネーブ国際音楽コンクールで,上野通明さんが優勝しましたね。チェロはもっとブームになってよいかもしれません。
 音楽の力といえば,日本経済新聞の12月20日の朝刊の「春秋」で,Netflix社が,すでに在籍する社員で特に優秀な人たちの共通点を探したところ,答えは音楽をこよなく愛する点だった,ということが紹介されていました。「論理的思考が軸となる業務だからこそ,創造性や感受性が発想の差を生む」というのです。左脳人材だけでは,経営はうまくいかないのでしょう。ほんとうは政治も同じです。林芳正外務大臣が,G7の夕食会で,イマジンをピアノで弾いて話題になりましたね。欧州の上流階級からは,ピアノなど音楽ができれば,非欧州人でも尊敬されるようです。国際的に活躍することをめざしている人は,教養の一つとして,何か楽器でも身につけるよう頑張ってみればどうでしょうかね。

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