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2021年12月20日 (月)

宇宙的視点

 ZOZOの創業者の前澤友作さんの宇宙旅行からのメッセージは夢がありました。私は閉所恐怖症で,飛行機に乗るのもほんとうは怖いくらいなので,宇宙まではとても行きたいとは思いませんが(そんなお金もありませんが),彼が子どものときからの夢が実現したと笑っている顔は見ていて気持ちがいいですね。夢をもって生きるというのは素晴らしいことです。大金を得ることができれば何でもできるというような言い方をしてしまえば身も蓋もなく,彼の行動をそういうように評価してはつまらないのであり,むしろ,夢に向かって邁進することは素晴らしいという視点でとらえたいですね。ちょっと違っているかもしれませんが,三浦カズが一途にプロのサッカー選手の道を極めようとしていることに感じるのと同じような,純粋な夢の追求者への共感です。
 ところで,宇宙というと,今日の日本経済新聞の記事で,宇宙開発に投資しているあのAmazonの創業者Bezos氏の,「重工業の地球外移転。太陽光を存分に使え,公害リスクは低い。そうなれば地球は住みやすくなる。そのためには安価な人やモノの輸送手段が欠かせない」という見解が紹介されていました。社会課題の解決を宇宙規模で物事を考えるという彼の視野の広さには驚かされました。GAFAの創業者たちには毀誉褒貶がありますが,彼らの視点の斬新さとスケールの大きさには感服します。宇宙開発の試みは,もうずっと前からあったことかもしれませんが,それが私たちの目の前で現実のものとなってきています。これから人々の活動が地球規模を超えていくようになると,冗談抜きで宇宙まで視野に入れた人間社会というものを考えていく必要があるのではないかと思います。社会科学はきちんとついていけるでしょうかね。
 Hannah Arendt (ハンナ・アーレント)の『人間の条件(The Human Condition)』のプロローグは,1957年に人類が初めて人工衛星を打ち上げた話(ソ連のスプートニク)から始まります。彼女は,地球に拘束されていた人間が地球から脱出するのか,という視点でこの出来事をとらえていましたが,現在は,地球と宇宙は連続的となりつつあり,そうなると“The Human Condition”も変わっていくのかもしれませんね。

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