立憲民主党は生き残れるか
立憲民主党の代表選では,自民党の総裁選と同じ4人が立候補していますが,自民党の総裁選ほど盛り上がるでしょうかね。立憲民主党がどういうことをやりたいのか,今ひとつ見えてこないのが問題です。野党第一党としては存在感を発揮してもらいたいのですが,自民党は,いまやリベラルな政策もやるので,立憲民主党は,どこで独自性を発揮するのかが,あまりよく見えてきません。労働政策でも,すでに自公政権下でかなりリベラルな方向に進んでいるので,立憲民主党が独自の政策を打ち出すことができそうにありません。連合との関係も微妙になっていますし。
国民の大半は労働者かその家族なので,ほんとうは労働政策が大きな争点となってもよいのです。それは先日書いたことと関係するのですが,来るべき大失業をどのように回避するか,あるいはそれが起きてしまったときにどう対処するのかが,大問題のはずです。社会経済のデジタル化の進行は不可避であり,それにともない省人化が起こるのです。これについて,各政党がどのような政策プランをもっているかが,私にはとても気になります。これは保守かリベラルかという対立を超えたものです。これからの対立軸は,未来を気にする若年層と現状の利害にこだわるシニア層との対立ということになるのかもしれません。それは,将来のデジタル社会のデザインを構想できるかどうかにも関係しています。
解雇の金銭解決だって,私たちの主張する「完全補償ルール」に賛同するかどうかは,やはり世代間のギャップがありそうです。
国民に寄り添う政治を推奨するのは結構なことです。国民により選ばれるのが政治家である以上,それは当然のことです。ただその寄り添い方が,バラマキをすることを中心に考えているようではいけません。そんなものが10年後,20年後の自分たちやその子や孫たちに役立つものでないことはわかっています。立憲民主党は,デジタルと環境という大きな制約条件の下で,いかにして自民党と異なる政策を打ち出せるかが勝負です。そこでは党名に「立憲」と入れている以上,憲法との関係が重要となるのかもしれませんが,そのことが政策の自由度を狭めてしまうかもしれません。うまく根本的な再生に成功しなければ,何人かのスター議員は生き残るでしょうが,そう遠からず社民党のように衰退の一途をたどることになるでしょう。個人的には,党名を変え,女性の地位向上に特化した政党になるとか,環境運動に特化した政党になるのが,生き残るために必要な戦略のように思えますが,余計なことでしょうね。
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