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2021年11月21日 (日)

ショパンコンクール

 今年のショパン国際ピアノ・コンクールは,反田恭平さんと小林愛美さんが,それぞれ2位と4位に入賞しました。素晴らしいですね。ショパニストとしての世界的な評価を確立し,ピアニストとしての最高の権威を得たといえるのでしょう。驚いたのは,小林愛美さんは,前回もファイナリストになっていたのに,もう一回挑戦して入賞へとランクアップしたことです。もし失敗したら評価が下がってしまうので,なかなかできないことだと思うのですが,そのチャレンジ精神とピアノへの強い思いを感じられました。クローズアップ現代でも紹介されていましたが,YouTube では,彼女の小学生くらいからの演奏を聴くことができ,幼いときから才能が全開の天才ピアニストだったことがわかります。ピアニストのコンクールに向けた苦悩は,かつて映画館で観た「蜂蜜と遠雷」でもよく描かれていました(コロナ前のいつだったか忘れましたが。原作の方も先に買っていたのですが,読まないままずっと本棚に眠っています。映画と少し違うそうなので,時間をみつけて一気に読んでしまうつもりでいますが,そう思いながら何年も経ってしまいました)。
 今回のショパンコンクールのあとは,ほぼ毎日,反田恭平さんの演奏を聴いています。圧巻はセミファイナルでの「英雄ポロネーズ」です。ショパンの代表的な曲の一つですが,ファイナルはオーケストラとの演奏なので,55分間ソロとして聴かせるセミファイナルは,ピアニストとしての自分の力量を最も示すことができる大舞台です。そこでどのような演目の構成で聴かせるかが勝負ですね。反田さんは入念に作戦を考えて,ポーランドの人に訴えかけるような選曲をし,ストーリーを作ったそうです。彼は,天才たちが集うこのコンクールで,周到に戦略を立ててきました。ワルシャワに留学して現地に溶け込んで,ショパンの祖国でショパンを学び,髪型もサムライ風にして目立つようにするなどして,そして今回の大きな成果につなげました。
 セミファイナルで演奏した「葬送」から始まり「英雄ポロネーズ」で終えるというように,まずは暗い世相を描きながら,それを力強く乗り越えていこうとする反田さんのメッセージは,聴衆に大きく響くものがあり,芸術の強さと素晴らしさを教えてくれるものでした(”Largo” という聴いたことがない曲も組み入れていました。ショパンの死後に楽譜が発見された曲だそうで,反田さんも留学後に知ったそうです。Largoはイタリア語で「広い」というような意味ですが,音楽用語では,「ゆるやかに」となります。ただ,この曲がどういう意味のものであるかは,よく知りません)。
 二人の若いピアニストの将来に大いに期待したいです。

 

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