竜王戦第三局
世間は衆議院選挙で盛り上がっています(神戸市長選はあまり盛り上がっていません)が,将棋ファンは,竜王戦の結果が気になります。豊島将之竜王に藤井聡太三冠が挑戦している竜王戦は,藤井三冠2連勝のあと,第3局も藤井三冠が勝ち,竜王奪取,最年少4冠に王手がかかりました。第3局は最初は互角でしたが,途中から藤井三冠が勝勢となり,そのまま押し切りました。今回も完勝ですね。藤井三冠は豊島竜王に自信をもって対局しているようです。そんな藤井三冠ですが,今日放送のNHK杯では,深浦康市九段にまさかの敗戦です。深浦九段には,5月の王座戦の挑戦者決定トーナメントでも敗れているので,苦手なタイプなのでしょうかね。深浦九段は,かつて羽生善治九段の全盛期にも互角に戦っていたことがありました。深浦九段は,王位3期の実績があり,元A級棋士でもある実力者ですので,番狂わせというのは失礼ですが,藤井三冠に2連勝するのは,やはり驚きです。藤井三冠は,NHK杯には,初出場のときは,3回戦で(準優勝した)稲葉陽八段に破れ,翌年は今泉健司四段に破れ(これは本当に番狂わせでした),その翌年は,2回戦で久保利明九段に敗れ,昨年は木村一基九段に2回戦で敗れ,そして今回は初戦で深浦九段に敗れてしまいました。時間が短い将棋なので,序盤からじっくり考えて指す藤井三冠にはあまり合わないのでしょうか。今日の対局も,早い段階で深浦九段の作戦にはまった感じで不利な状況に追い込まれ,時間もなくなり,結局,挽回ができませんでした。NHK杯に勝てないのは,将棋界の七不思議になるかもしれませんね。
順位戦は,A級は現在,順位と成績順がほぼ一致しているという状況です。唯一違うのは,順位が8位の羽生九段が1勝3敗と出遅れて,成績順位で9位になっていることです。山崎隆之八段が4連敗で苦しい出だしで,このあとの対局者をみても残留はほぼ絶望的でしょう。羽生九段もピンチですが,ここから底力を出すような気がします。しかし順位が悪いので,あと2敗するようでは,まさかの陥落があるかもしれません。