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2021年8月21日 (土)

日経新聞で拙著が紹介されました

 日本経済新聞の書評欄の短評に拙著『誰のためのテレワーク?―近未来社会の働き方と法』(明石書店)が採り上げられました。ちょうどこのブログでも,政治家も含め,多くの人に読んでもらいたいと書いたところだったので,このタイミングで目立つところで紹介してもらい,有り難く思っています。

 ところで神戸大学で感染症の専門家である岩田健太郎先生は,感染症対策として人流抑制は効果的で,テレワークはそのための有効な手段であることは政府の言うとおりだけれど,ロックダウンは効果がないといって選択肢から初めから排除しているのは,メッセージの出し方としてわかりにくいのではないかという趣旨のことを言われています。同感です。それに,なぜ政府は最初から自分たちの手を縛るようなことを言うのでしょうかね。ロックダウンはできたら避けたいのですが,やむを得ない場合のカードとして残しておかなければならないはずです。どういうわけか,この政権は,自分の手を先に縛って,それで無理なことをやって,良い結果を出せないということを繰り返しているように思えます。できれば避けたいということと,最初からやらないと決めつけることとは区別しておく必要があるでしょう。オリンピックのときも,不開催というカードを最初から放棄して,結局,強行開催したわけで,現在の感染状況をみると,これが成功だったと喜べる状況にはないでしょう。パラリンピックは,これから開催に突入してしまうのでしょうが,最悪の可能性も考えて,プランBCを用意しておく必要があるでしょう。そこには不開催,中止というものも含めておかなければなりません。学校の全国一斉の臨時休校も,政府としては要請しないと言っていますが,これだってやらないほうがよいに決まっていますが,全国的に感染が広がっていて先が見通せない現時点で,最初からこの選択肢を放棄してよいのか疑問です。
 出口が明確にみえていれば,テレワークだけでなく,ロックダウンや一斉休校のような強い人流の抑制も国民は受け入れます。ただ,そのまえにまずは政治家がオンラインを活用して,移動しないでも活動を継続できるという見本を示すべきです。なぜ首相や大臣は会見を,オンラインでやらないのでしょうか。それができないかぎり,テレワークは絶対に進みません。経済団体にテレワークを要請しにいくのに,首相が経済団体を訪問して,そこで対面でやっているということ自体,テレワークは無理だというメッセージになっていることを,どうして周りにいる人は教えてあげないのでしょうか。わざわざ首相が訪問していることが危機意識の表れだと考えているとすると,完全にズレているのですがね。

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