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2021年8月16日 (月)

NBLに登場

 NBLの巻頭言に登場しました。1200号記念号で,その巻頭に書かせてもらうというのは,たいへん光栄なことです。コーポレートガバナンス・コードの改訂をうけて「中核人材の登用等における多様性の確保」に関して何か書いてくれないかという依頼を受けましたので,私はそれをダイバーシティの問題として,自分の関心に引きつけて書いてみました。企業が人材のダイバーシティに本気で取り組む必要があるのはなぜかということを,かぎられた字数のなかで精一杯書いたつもりです。この種の非法的要素が強い社会的規範に私が関心を深めていることに着目して依頼してくださったのかもしれません。とても有り難いことです。
 商事法務からは,今年5月に,『労働法で人事に新風を』の続編の『労働法で企業に革新を』を刊行し,その前には1月に同じNBLで,旧労契法20条関係の最高裁5判決に関する論文も書くなど,最近はよく仕事をさせてもらっています。
 とはいえ,NBLは有斐閣のジュリストなどと違って,日頃読んでいる雑誌ではないので,書かせてもらうのは申し訳ないのですが,私に良いテーマで声をかけてくださる編集者がいることは有り難いことです。
 ところで,この原稿でも言及した性的少数者(LGBTQなど)の差別のような問題については,ハードロー的なアプローチでがんがん攻めていっても解決できないと思っています。一番効果的なのは,企業倫理・CSRといった非法的な規範で,社会的に圧力をかけていく方法です。拙著『人事労働法』(弘文堂)でも,基本的には「強制される規範」だけでなく,「履行が望ましい規範」に数多く言及しています。差別に関しても,現在の法規範では,具体的に何をやったらいけないかが明確になっておらず,合理性があれば差別にならないので,裁判になれば,企業は原告労働者の非をどんどん挙げて,自己の合理性を主張してきます。これにより,原告は傷つくことになります。もちろん原告労働者も,企業の非をいうのであり,互いに不幸なことになります(これは離婚裁判にも似ていますね)。こういうことを避けるために私の提唱する解決方法は,拙著『人事労働法』(とくに61頁以下)を読んでもらいたいのですが,まずは上記のような裁判紛争に対する問題意識を共有してもらいたいところです(私の納得規範による解決方法も,もちろん欠点はあると自覚していますが,重要な問題提起をしているつもりではあります)。
 商事法務から出した上記の二冊の本も,実は,法律を意識しながら,いかにして法律紛争とせずに人事上の問題を解決できるかを,ストーリーで示したものです。とくに前著の『労働法で人事に新風を』では,そのことが強く出ていると思います。『労働法で企業に革新を』は,企業をとりまく新しい動き(DXやテレワーク)も取り入れているので,そのほうに目が向きちになるかもしれませんが,やはり基本は,企業人事とは法律を意識しながらも,どうやって従業員と対話をして納得を得ながら進めていくかにあるというモチーフで書かれています。それを私に代わって,スーパー社労士の美智香が語ってくれています。

 

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