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2021年8月17日 (火)

中止の決断が遅い主催者

 もう10年近く前でしょうか。ブログにも書いたことがあることです。台風が近づいているときに,東京で日帰りの仕事がありました。帰りは飛行機で,2時間くらいまえの段階で欠航となっていなかったので,品川から京急で羽田空港に向かっていました。ところがその途中で雨足が急速に強まり,青物横丁あたりで電車が動かなくなりました。その後,ネットで欠航ということはわかったものの,電車は動かないので品川に引き返すことができず,結局夜遅くになってようやく品川に帰ることができました。ただ,あわててホテルを探すも,なかなか見つかりませんでした。もっと早くに欠航を決めてくれていたら,電車に乗ることもなく,着替えも買えたし,おそらくもっと楽にホテルを見つけることができたでしょう。帰りが夜中になってしまったために,悲惨なことになりました。翌朝はなんとか新幹線が動いたのですが,満席で,学生時代以来という立ったまま新幹線で新神戸まで帰るはめになり,そのまま,着替えをする時間もなく,労働委員会の調査に向かったことを覚えています。気象予測はできるのだから,責任者はもっと早く決断してほしいと強く思いました。
 将棋の王位戦(藤井聡太王位と豊島将之竜王との対局)は明日から佐賀の嬉野温泉の和多田別荘で行う予定でした。私も8年くらい前に一度だけ宿泊したことがある良い旅館です。ただ,今回の王位戦については,連日,嬉野は大雨に見舞われているということだったので,王位戦はやるべきではないと思っていました。日本将棋連盟は16日に会場変更を決めたようですが,決定が遅いです。いろいろ準備されてきた人の気持ちもあるので,簡単には決められないのはわかるのですが,気象予報からするととても将棋のタイトル戦をやるような状況でないのは明らかだったので,決断はもっと早いほうがよかったでしょう(対局会場自体は雨の被害を受けていないということでしたが,会場の問題ではなく,そこまで移動する安全な手段があるのか,被災者が周辺にいるなかで,多くの人が集まってきて将棋のイベントをやってよいのか,というようなこともあり,さらに大雨が続くという予報も出ていたので, 2日制のタイトル戦をやることは,どう考えてもありえないことでした)。
 夏の高校野球の今日の第1試合は,8時の段階ではなんとか試合ができそうでしたが,試合中に大雨になることが予想されていました。試合がさくさく進んで90分くらいで終われば問題はなかったのでしょうが,大阪桐蔭と東海大菅生という優勝候補どうしの対戦なので,そう簡単には終わらないことは十分に予想できました。結局,最後は8回表に,平凡なショートゴロの打球が水たまりで止まってしまってヒットになり,これをみてようやく審判は試合を中断し,結果,コールドゲームになりました。そのかなり前から試合の続行は不可能な状況でしたが,負けている側(東海大菅生)が点数を入れて追い上げたので,試合を止められなくなってしまったようです。コールドゲームで試合が成立して,そこで終了となるのは,ルールですので仕方がないのですが,気象予測からみて,9回までもたない可能性がある場合には,試合をやるべきではなかったのではないでしょうか。これは結果論ではありません。12日の明桜と帯広農の試合は4回で降雨ノーゲームでした。圧倒的に有利に試合を進んでいたのにノーゲームとなった明桜が再試合で勝ったからよかったですが,どっちにしても選手には気の毒でした。昔のように天気は神の決めることというような時代ならともかく,誰でもインターネットで数時間後までの雨雲の動きをピンポイントで把握できる時代です。甲子園球場の水はけの良さを考慮しても,気象予測をふまえ,平均的な試合時間を考慮して試合を最後までやり通すことができない可能性があるならば,試合を開始しないというような選手たちへの配慮が必要ではないでしょうか。
 それにしても,主催者ってなかなか中止できないものです。これも前にブログで書いたことがありますが,ある講演に台風がぶつかったとき,主催者が中止を決断しないものだから,私もぎりぎりまで自宅で様子を見ていましたが,駅まで行く途中で傘が飛ばされ,電車には乗ったものの,雨足が強まるのをみて,これは危険だと感じて,自宅に戻ってキャンセルしたことがありました。自分の身を守るのは自分です。実際,もし講演に行っていたら,帰りの電車は止まっていたので,帰宅難民になっていました。それ以降,講演を引き受けるときには,台風などの災害があって,帰りの足が確保できないおそれが少しでもあれば講演はキャンセルするという条件をつけることにしました。リモート講演しかしないと決めたいまとなっては,気象に左右されることはないので,関係のないことですが。

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