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2021年8月23日 (月)

予備校の小論文試験に登場

 新書を何冊か出しているので,大学の入学試験や予備校の試験などの小論文で使われることは,これまでもありました。ただ,今回,代々木ゼミナールの名大入試プレ(20216月)の小論文で,『AI時代の働き方と法―2035年の労働法を考える』(弘文堂)が使われているのをみて驚きました(内容は圧縮されています)。設問は「労働法誕生の経緯を踏まえつつ,労働法の性格について,本文に則して300字以内で説明しなさい」「あなたの考えるこれからの労働法のあり方について,本文を踏まえて,具体例を挙げながら600字以上800字以内で述べなさい」です。どちらも,労働法の過去や未来のことを正面から聞くものになっていて,難度はかなり高いなと思いました。しかし予備校の試験とはいえ,高校生相手にこのような問題で文章を書かせようとするのは重要なことで,出題者の意識の高さがわかります。解説もみましたが優れたものでした。「出題のねらい」は,「本問のテーマは,将来,皆さんが生計を立てる上で欠かせない,働くことに関する法律,すなわち『労働法』を扱った。皆さんの中にも,経営者側に対する労働者側の権利を保障した,労働基準法,労働組合法,労働関係調整法の労働三法を覚えている人も多いだろう。労働法の成立過程や今日における問題点,今後のあり方などについて本問を通じて考えてほしい」となっていました。学部の労働法の試験でも使ってみたいですね。『AI時代の働き方と法』は,プロにも読んでもらえるような内容で書いたつもりですが,このレベルの本まで予備校で扱ってくれるとなると,労働法というものの裾野は,私が思っている以上に広がっているのかもしれません。もちろん時代の先端は,「beyond 労働法」というところにあるのですが。

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